2016.05.18更新

1 弁論準備手続期日から口頭弁論期日へ?

 最近、特許権の審決取消訴訟や侵害訴訟で、裁判所から、技術説明会を公開の法廷で行えないか、との要請を受けることがありました。

 技術説明会は法律上の制度ではなく、複雑な特許事件についての裁判官の理解を助けるため、慣行的に行われているもので、従前は、第三者が許可なく見ることはできない弁論準備手続期日の一種として扱われていました。

この運用を変え、口頭弁論期日として技術説明会を行うというのが、裁判所の要請でした。

 

2 公開の影響は?

 世間の注目を集めている特許権侵害訴訟であれば、法廷(公開法廷とはいっても、おそらくラウンドテーブル法廷でおこなわれるため、技術説明会の様子自体はあまり変わらないのだと思います。)に記者が傍聴しにきたりするのかもしれません。また、審決取消訴訟であれば、自らは審決取消訴訟の当事者ではない競合他社が、技術説明会の内容を傍聴することもありそうです(今でも、特許庁の口頭審理ではそういった事案にたまにお目にかかります)。

 また、我々代理人からすると、今までは相手方代理人のプレゼンテーションの様子を見ることしかできませんでしたが、これからは相手方ではない代理人のプレゼンテーションを傍聴できることになります。自分の事件の際は自らの説明や相手方の説明のどこに反論をするか考えるので精一杯ですから、なかなか相手方のプレゼンテーション技術を研究しようなどという余裕はありませんが、今後は、勉強用に他の代理人の技術説明会を傍聴しに行く、ということも考えられます。

 逆に言えば、こちらも見られる可能性があるわけですから、今まで以上に緊張しますね(^_^;)

 審決取消訴訟や侵害訴訟の当事者たる企業の担当者の方からすれば、訴訟を依頼する知財弁護士・弁理士を選ぶ際に、技術説明会の様子を検討材料にする、なんてこともあるのかもしれません。

 いずれにせよ、今後の動向に注意を払いたいと思います。

                                   (河部)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

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