2017.04.04更新

 今回は、裁判所における訴訟手続(民事事件)と特許庁における無効審判手続(取消審判手続も含む。)の違い、それも制度上の違いというよりも、実際に経験しなければなかなか知ることはないと思われる運用上の違いについて、簡単に触れてみたいと思います。

 

1 特許庁の口頭審理

 特許庁の口頭審理期日と裁判期日の違いとして弁護士の視点で感じることは、特許庁の方が総じて手続に対して厳格なところです。

 特許庁では、審判官それぞれの自己紹介や請求人被請求人代理人の氏名の確認に始まり、証拠調べの原本確認、調書記載事項の確認なども非常に厳格に行います。

 また、最近は形式的な事項の確認のみにとどめられることが多いですが、裁判所の期日と異なり基本的に1回きりですから、以前はかなり長丁場で技術論の応酬をすることもありました。

 

2 裁判所の期日

 これに対し、裁判所では、当事者間に争いのある場合は別ですが、争いがない手続については非常に効率を重視し、期日はスピーディに展開します。初めて訴訟を経験される方は、びっくりするかもしれません。

 期日で確認される内容ですが、民事訴訟は基本的に書面の内容が重視され、期日では分かりにくい点の確認がなされる程度のことが多いです。もっとも、最近の知財訴訟は書面に記載した内容でも口頭で確認することも多く、かなり長い時間争点整理がなされる案件もあります。

 

3 施設にも違いが…

 裁判所の建物は、裁判所ごとに雰囲気が異なります。東京地裁は威厳のある雰囲気、最近建設された裁判所(支部が多いです。)は割と親しみやすい雰囲気といった具合です。建物から受ける雰囲気に影響されてか、他の裁判所と比較して東京地裁の法廷(特に合議の法廷)は、重厚な裁判所らしい印象を受けます。

 特許庁の審判廷は、特許庁と経済産業省別館にあります。

 経済産業省別館の審判廷は普通の部屋ですが、特許庁にある審判廷は、紫を基調として大理石がふんだんに使われており、初めて見たときはその豪華さに圧倒されます。同じ印紙代でも、随分と施設に差があるものです。

(河部)

 

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

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