2019.10.17更新

 前回に引き続き、『知的財産紛争の最前線No.5』を読んでみて気になったことについて触れてみたいと思います。

 

 「大坂高等裁判所第8民事部および大阪地方裁判所第21・26民事部と大阪弁護士会知的財産委員会との協議会」では、「特許権等に関する訴え」(民事訴訟法6条1項)の管轄についての話が興味深かったです。
 「特許権等に関する訴え」は、東日本は東京地裁、西日本は大阪地裁の専属管轄です。上記協議会では、「特許権等に関する訴え」でないと誤って判断して、東京地裁・大阪地裁以外の裁判所に提訴をすると、後々そのことが控訴理由(民事訴訟法299条1項ただし書)・上告理由(民事訴訟法312条2項)にさえなってしまうことに言及がなされていました。
 私も、「たしかに訴状の中に特許の話は出てくるけど、特許の内容はほとんど関係ない普通の民事事件なんだけどなぁ。」と思う事件が東京地裁の知的財産部に移送された案件を経験したことがあります。
 東京・大阪以外の弁護士からすれば、クライアントに交通費や日当を請求するのは申し訳ないから、できる限り「特許権等に関する訴え」でないとして地元の裁判所で裁判をしたいところです。しかし、後でそのことが控訴理由・上告理由になってしまったのではたまりません。
 特許に関する話が出てくる訴訟を東京地裁・大阪地裁以外で提起する場合には、本当に「特許権等に関する訴え」に当たらないか、慎重に吟味した方がよさそうです。

(河部)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

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