2020.02.17更新

 最近、さかなクンさんがハコフグの帽子を被ったまま参議院の調査会に出席できることになったというニュースが話題になっていますね。
 このハコフグの帽子ですが、弊所HPの「推薦者の声」に掲載しているとおり、立体商標として登録されており(商標登録第5169970号、小林弁護士はこの商標の無効審判の代理人を務めており、現在も契約書のチェックなどをしています。
 私も小林・弓削田法律事務所に入所して半年のときに一度だけお会いしており、名刺交換の際に↓の手書きのメッセージ付きの名刺をいただきました。

 

2.17

 

 お会いしてからもう7年近く経ち、その間にどんどん有名になって、とても気軽にお会いできる方ではなくなりましたが(お会いできているのは弊所でも小林、弓削田、河部だけです。)、我々弁護士しかいないのに「ありがとうギョざいます」とサービストークをしてくださるテレビの中そのままのいい人感は、今でも記憶に残っています。

(河部)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2020.01.31更新

 前回に引き続き、自動車エンジンについてご説明いたします。今回は、実用化されているエンジンから研究段階のものまで、種々の自動車エンジンを紹介いたします。

 

 

1 ハイブリッドシステム(ストロングハイブリッド)
 ガソリンエンジンとモーターから成るパワートレインにより、①発進・低速時はモーターで走行、②加速時・通常走行時はエンジンとモーターの両方で走行、③減速時はエンジンを停止させてモーターを回生ブレーキとして機能させる制御を行うものです。2018年度国内登録車販売ランキングの上位10車種中9車種をハイブリッドカーが占めています。


 ハイブリッドシステムは、大きく分けて
(1)パラレル方式(エンジン・モーターが駆動系に直結したもの)
(2)シリーズ方式(モーターのみが駆動系に直結し、エンジンは発電用に使用されるもの)
(3)シリーズ・パラレル方式(エンジンの出力を発電用と駆動用に使い分けるもの)
の3つがあります。

 

20.1.31

図:代表的なハイブリッドシステム(clicccar.com【自動車用語辞典:電動化技術「ハイブリッド」】ウェブページ、株式会社三栄)

 

 

2 マイルドハイブリッド
 駆動用のモーターを備えておらず、通常の自動車に搭載されている発電機(オルターネーター)を強化してモーターの役割として使うようにしたものです。
 モーターやバッテリーを小さくできるため、コンパクトカーや軽自動車に採用される傾向があります。

 

   
3 ミラーサイクルエンジン
 通常のタイミングよりも吸気バルブを早く閉じる(又は遅く閉じる)ことで、実質的な圧縮比を小さく抑え、膨張比だけをより大きくすることにより、少ない混合気から効率よく膨張圧力を取り出し、エネルギー効率の向上を実現したエンジンです。アトキンソンサイクルとも呼ばれています。
 前述のハイブリッドシステムのエンジン等、低燃費車に広く採用されています。

 

 

4 ロータリーエンジン
 ローターハウジング内をおにぎり型のローターが回転して4サイクルを行う方式のエンジンです。

 

2.10

図:ロータリーエンジン概要(カーセンサー「ロータリーエンジンで快適室内空間!家族全員で楽しめるスポーツカーRX-8」ウェブページ、株式会社リクルート)

 

 ローターの円運動をそのまま回転運動として駆動系に伝達できるためパワーロスが少ない、部品点数が少なくコンパクトで軽量、というメリットがある一方、燃費が悪くオイル消費が激しい等のデメリットがあります。

 

 

5 ディーゼルエンジン

 軽油を燃料とするエンジンで、ガソリンエンジンと異なり点火プラグを有しておらず、圧縮されて高温となったシリンダ内に燃料を霧状に噴射して自然着火させる方式です。ガソリンエンジンよりも圧縮比を上げることができるため、熱効率も40%~50%と高いです。
 1990年代後半からコモンレール方式が採用され、エミッション性能が飛躍的に向上した「クリーンディーゼル」が登場しました。

 

 

6 水素レシプロエンジン
 ガソリンや軽油等の化石燃料ではなく、水素ガスを燃料とするレシプロエンジンです。
 ガソリンエンジンと同じ構造が使えるためエンジン設計が容易な上に、排ガスがほとんど出ない(ほぼ水しか排出されない)という優れたエンジンですが、水素の漏れ防止やインフラ整備等の課題があります。

 

 

7 スターリングエンジン
 シリンダ内のガスを外部から加熱・冷却し、ガスを膨張・収縮させることで仕事を得る方式のエンジンです。
 存在し得る熱機関で最も高い効率で熱エネルギーを仕事に変換できる(カルノーサイクルに近い)エンジンと言われていますが、ガスのシーリング問題、ピストン(ディスプレーサーピストン及びパワーピストン)の摺動性向上など多くの課題が存在しており、未だ自動車エンジンとして実用化には至っていません。

 

(田仲)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2020.01.24更新

はじめに
 私は、大学院を修了後、自動車メーカーに入社してエンジンの研究開発を担当しました。法曹の道に進んでからは、数々の自動車に関する知財紛争を経験する機会に恵まれましたが、その際に、自動車エンジンにかかる知識が紛争解決に大いに役立ちました。
そこで、弁理士先生や知財弁護士先生のお役に立てればと思い、自動車エンジンに関する基礎技術について書いてみることにしました。
 まずは、自動車エンジン開発に求められることについてご説明いたします。

 

 

1 自動車エンジン開発に求められること

 自動車エンジンは、高出力、軽量・コンパクト、低燃費、低公害、低コスト等が要求されますが、それらを達成するために、①熱効率の向上、②高回転化、③吸気・排気効率の向上等を目指した開発が求められます。

 

 

2 ①熱効率の向上
 ①熱効率の向上とは、自動車エンジン(ガソリン)の燃焼サイクルを、できる限り理想燃焼サイクル(オットーサイクル)に近づけることです。

20.1.25

図:4ストロークガソリンエンジンのサイクル(JSMEテキストシリーズ熱力学、社団法人日本機械学会、2002.7.1、p134)

 

 エンジンの熱効率は、圧縮比((燃焼室容積+排気量)/燃焼室容積)を上げることで向上しますが、圧縮比を上げると異常燃焼によるノッキング等の弊害が生じてしまうため、現状はガソリンエンジンで圧縮比10程度に設定されています(圧縮比10だと、理論熱効率で60%程度、実際の熱効率はせいぜい35%程度です。)。

 

 そこで、異常燃焼を抑制しつつ、より圧縮比を上げるために、燃焼室のコンパクト化、筒内乱流(スワール流、タンブル流等)強度の向上による急速燃焼の実現、センタープラグ化による均一燃焼の実現等を目指した開発が進められています。

 

 

3 ②高回転化

 ②高回転化を図るためには、ショートストローク化や摩擦損失(フリクション)低減が効果的です。
 フリクションの低減を図るために、固体潤滑剤を用いたピストンの表面処理、クランクピン・ジャーナル径の細軸化、エンジンオイルの低粘度化等についての研究開発が進められています。

 

 

4 ③吸気・排気効率の向上
 ③吸気・排気効率の向上には、吸気バルブと排気バルブの大径化が効果的ですが、大径化するにもレイアウト上の限界があります。
 そこで、バルブタイミング制御、吸気管長の調整等によって吸気・排気効率を向上させるための開発が進められています。

(田仲)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2020.01.14更新

 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。


 今回は、前回話題にした専門委員の選ばれ方について。
 専門委員は、裁判所の専門委員候補リストの中から複数人の候補が選ばれ(事件によって、技術説明会に出席する専門委員の数にもばらつきがあります。)、専門委員候補について何か意見があるか原告被告双方に確認がなされた上で最終的には裁判所が決定するという流れで決定されます。
 この「意見」ですが、基本的には、原告・被告のそれぞれが候補者の中から当該事件を担当するのは適切ではない専門委員を指摘し、その理由を上申する作業になります。
 裁判所は技術分野に応じた専門家をリストから選ぶだけであり、専門委員の過去の経歴を全て調べているわけではありません。意外と多いのが、専門委員が相手方企業の関係者であるパターンです。こういった場合、当事者側で上申書を提出してその専門委員が事件を担当するのが適切でないことを知らせる必要があります。
 もっとも、ある技術者の方が以前にどこの企業にお勤めであったかといった個人情報は、Google検索では発見できないことも多いです。
 そこで威力を発揮するのが、J-PlatPatです。専門委員の先生方は技術の専門家だけあって、過去に特許の発明者になっていることが非常に多く、そこから以前にどこに勤めていたかが割り出せます。

(河部)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2020.01.07更新

 明けましておめでとうございます。

 

 平素は、小林・弓削田法律事務所に格別のご高配を賜り、厚くお礼申しあげます。


 本年も、小林・弓削田法律事務所は、知財ブティック事務所ならではのリーズナブルで質の高い案件対応、ビジネスの勢いを止めない迅速なサービスを心がけて参ります。


 引き続きご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

 

2020年1月吉日

 

小林・弓削田法律事務所
所長弁護士・弁理士 小林 幸夫

パートナー弁護士  弓削田 博

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2019.12.27更新

1 裁判所の技術の理解を助けるための専門家
 特許に関する裁判は、単に法律だけでなく技術についても理解が必要となります。裁判官は法の専門家ではあっても技術の専門家ではないため、特許関係訴訟には、他の訴訟とは異なり、裁判官の技術に対する理解を助けるための制度が設けられています。
 その一つに、裁判官の技術についての理解を助ける専門家である、「専門委員」「調査官」の存在があります。
 そこで、今回は、「専門委員」と「調査官」についてご説明させていただきます。

 

2 専門委員
 「専門委員」は技術分野の専門家であり、特許訴訟の中では、基本的に技術説明会の前に選任され、技術説明会だけに出席して、当事者のプレゼンテーションの内容を聴き、色々と技術的な質問を行います。知財高裁のHPによると、約200人が任命されているそうです。
 専門委員が選任されると、専門委員にそれまでの訴訟記録写しを交付しなければならないので、事務作業は結構大変です。

 

3 調査官
 調査官は、裁判所に常駐する職員であり、特許庁の審査官や審判官、弁理士出身者です。常勤ですから、裁判官の技術的な疑問に日常的に対応することになります。
なお、東京地裁では、調査官の分の訴訟記録写しを提出するように求められます。

 

4 専門委員と調査官のどちらの意見がより審理に影響するのか?
 代理人の立場からすると、一番気になるのは、「専門委員や調査官の意見が審理にどの程度影響するのか?」という点です。
 専門委員が技術説明会の日に1回限り裁判官と顔を合わせるだけなのに対し、常勤の調査官は普段から裁判官と接していますから、意見を求められる回数も多く、一般論としては、調査官の意見の方が影響しやすいと思われます。
 もっとも、1回限りなだけに、逆に審理をずっと追い続けている裁判官や調査官、当事者が気づかなかったことに専門委員が気づくこともあります。私が担当した案件でも、我々が焦点を当てていなかった事実が専門委員の先生のご質問によって浮かび上がってきて、事件の流れに影響したと感じるケースもありました。
 技術説明会では、専門委員、調査官から技術的な質問をされることもあります。今のところ答えられなかったことは一度もないのですが、それでも技術の専門家ではない私にとっては、かなり緊張する瞬間です。

(河部)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2019.12.16更新

 私の顧問先の発明ラボックスで、知財訴訟費用保険の取扱いが始まりました。
 この知財訴訟費用保険、発明ラボックス会員の個人事業主のみ入れるものですが、わずか月2080円で500万円までの知財訴訟の弁護士・弁理士費用等を賄える上、原告側の弁護士・弁理士費用等が出るというかなり珍しいものです(値段は高くなりますが、企業向けの保険も原告側の弁護士・弁理士費用等が出ます)。
 発明ラボックスの松本社長によれば、個人発明家が特許を取得しても特許権侵害訴訟の弁護士・弁理士費用が捻出できずに泣き寝入りするケースも多いそうです。
 この知財訴訟費用保険が、知財業界を盛り上げる起爆剤になってくれればいいなと思います。

(河部)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2019.11.27更新

1 セカンドオピニオンを求められ…
 随分前の話になってしまいますが、知財訴訟についてセカンドオピニオンを求められることが立て続けにあり、いずれのケースでも、依頼者の方から、「会社担当者の方や原告被告となっているご本人が弁論準備手続期日などに出席してもいいのか?」というご質問をいただきました。
 小林・弓削田法律事務所では、交通費や時間などの問題がない限り、依頼者の方にも積極的に出席していただくようにしています。別の事務所を経験していない私はご質問自体に驚いてしまったのですが、出席したいと言うとあまりいい顔をされない先生も珍しくはないようです。

 

2 期日に出席すべきと考える理由
 小林・弓削田法律事務所では、備忘録も兼ねて、期日の後には詳細な期日報告書を作成してどのようなやり取りがなされたかをご報告しています(ときには10頁近い報告書を作成することもあります。)。しかし、期日当日に裁判官がどのような口調で発言をしたのか、和解の際の雰囲気などといった非言語的な部分は、どんなに努力しても期日報告書だけでは伝えきれないところがあります。これを担当者の方にも感じ取っていただきたいというのが、期日への出席をお勧めする理由です。特に和解の場面では、実際に期日に出席して感じた細かなニュアンス・空気感を会社に持ち帰って会社全体の意思決定に反映していただくことが、よりよい解決をする上で有益です。
 また、これも和解の場面についてですが、事案によっては「今なら和解が成立する、この機会を逃すと和解が成立せず泥仕合となってお互いに損をする。」という流れが来ることがあり、その場合にはあらかじめ打合せで決まった意思決定しかできない代理人だけでなく、柔軟な意思決定のできる方に出席していただくことが非常に重要になります。

 

3 期日に出席する前に
 なお、『民事裁判の要領』(青林書院)は、民事訴訟手続について、訴訟経験のない会社担当者の方の疑問に答える内容になっているので、訴訟の担当者となられた方はご一読しておくと、期日に出席したときにやり取りの意味が理解しやすくなると思います。

(河部)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2019.11.15更新

 GDPRでは、EU域内に拠点を有していなくても、EU域内のデータ主体に対しサービスを提供するとGDPRの適用があり(GDPR3条2項)、GDPR5条以下に従い、適切に個人データを処理しなければなりません。
 この点について、我々になじみのある知財の世界で考えてみると、そう言えば特許公報には発明者の氏名や住所が・・・
 GDPRは、域内に拠点を有していない場合には、EU域内に現地代理人を選任しておかなければならないとしています(GDPR27条)。そうすると、特許事務所が海外のクライアントから外内業務を受注している場合、公報に記載するEU域内の個人の情報を日本国内に移転することになるから、EU域内の現地代理人を選任しなければならないことになる!?
 欧州データ保護委員会の制裁も、おそらくまずは大きな企業、特にデータの取扱量も多い域内に拠点を有するような企業から始まるのでしょうが、特許事務所も、将来的には対応を迫られる可能性があります。
 なお、小林・弓削田法律事務所では、GDPRの現地代理人業務も行っているEU域内の法律事務所をご紹介できますので、本ブログが気になる方は気軽にご連絡ください。

(河部、神田)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2019.10.29更新

 弓削田弁護士がインドネシア法務を取り扱っていることもあり、私は、日本インドネシア法律家協会(通称「JILA」)という団体に所属しています。
 先日、その関係でインドネシア最高裁・弁護士会を訪問しました。

 

 私のような平会員までインドネシア最高裁判所の判事との意見交換会に参加できてしまうのがJILAの凄いところで、2回インドネシアを訪問しているだけの私も、2回ともインドネシア最高裁判事との意見交換会に参加させていただいています(1回目はおそれ多くも弊所で扱った即決和解のケースについてお伝えさせていただきました。)。
 今年はスケジュールの都合で最高裁を撮影する時間がなかったので、前回訪問した際の写真を貼り付けておきます。
 1枚目は正面からの写真↓

2019.10.29

 

 2枚目は最高裁判事全員が着席して会議ができる豪華な大会議室のようなところ(法廷っぽいですが、法廷ではないらしいです。)↓

2019.10.29.2

 いずれもJILAのHPに載っている写真と全く同じですが、撮影者が私なので著作権法的には問題なしです。

 

 また、今回は初めて弁護士会を訪問しました。インドネシアの弁護士会は複数に分裂しており(東京の弁護士会みたいなものでしょうか?)、訪問したのは「KONGRES ADVOCAT INDONESIA」(通称「KAI」)です。会長のお話だと、現在インドネシアには7万人くらいの弁護士がいて、そのうちの2万数千人の弁護士がKAIに所属しているそうです。
 KAIは日弁連を訪問したことがあるようで、KAIの事務所には日弁連を訪問した際の写真が飾ってありました。
 わざわざ日本語でJILAのロゴ入りのポスターや横断幕まで作ってくれる歓迎ぶりで、KAIのバッジまでいただきました。

2019

 最後に、インドネシアで知財的に気になったものの写真を貼っておきます。

2019.10

 以上、インドネシア訪問の報告でした。

(河部)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

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