2015.04.27更新

1 4月は異動シーズン

 こんにちは、河部です。今回は、ちょうど異動シーズンということもあり、裁判官の異動についてです。

 4月は、裁判官の異動シーズンです。裁判官によって訴訟指揮の仕方は異なりますし、事件から抱く心証が真逆なこともないわけではありません。弁護士としては、4月をまたいだ期日は、それなりに意識します。

 

2 東京地裁知財部の異動

 東京地裁知財部でも、裁判官の陣容が変わりました。まだ裁判所のHPは更新されていませんが、知財部裁判官17名(4名×4か部+1名、40部だけ1名多くなっているようです)のうち、私が確認した限りで6名の裁判官が異動になっています。

 知財事件(特に特許訴訟)は記録が膨大なことが多く、異動時期をまたぐ場合は交代した裁判官が記録を読み込む時間を確保するために期日と期日の間が空き、先週あたりから異動してきた裁判官と初顔合わせの期日が入ります。

 予想はしていたのですが、私の担当している事件のほとんどで、一部の裁判官が交代しました。知財事件は全件合議事件(裁判官3名で担当する事件)なので、裁判官1名で担当する通常の事件と比べれば影響は少ないのでしょうが、気にはなります。

 

3 裁判官の調べ方

 担当裁判官の名前は各裁判所のウェブサイト(「○○地裁」「担当裁判官」で検索すれば出てきます。)で調べることができますが、更新までに若干のタイムラグがあります。こういうときは書記官に教えてもらいます。

 また、各裁判官の経歴は、e-hokiで調べることができます。無料です。裁判官が赴任してきた時期が分かるため、異動のタイミングをおおまかに掴むことができます(裁判官は、だいたい3年周期で異動するため。)。

 弊所では、訴訟の開始時に裁判官の経歴を調べて異動の可能性をお伝えし、異動があった場合も期日報告書で裁判官の経歴をお知らせするようにしています。(河部)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2015.04.22更新

1 種苗法と半導体集積回路配置法

 こんにちは、河部です。今回は、民法改正に伴う知的財産法改正のうち、残る種苗法と半導体修精機回路配置法について確認していきたいと思います。もっとも、種苗法も半導体集積回路配置法もそうそう使われる法律ではなく(個人的には種苗法に興味があり、是非とも訴訟案件を受任してみたいのですが…)、わざわざ確認をする必要はないかもしれません(^_^;)

 

2 種苗法の改正

 種苗法の改正箇所は14条5項のみ、「同条中」を「同条1号中」にしただけで、民法自体の内容はともかく、種苗法の改正に注目する必要は特にありません。

 

3 半導体集積回路配置法の改正

 半導体集積回路配置法の改正も、種苗法の改正部分と同じく、民法724条の改正に合わせて「民法第724条中」を「民法第724条1号中」に修正したにすぎません。

 

4 まとめ

 以上のとおり、民法改正に伴う各知的財産法の改正について検討してきましたが、各法律の改正自体に、影響力の大きいものはなさそうです。むしろ、民法自体の改正が知的財産訴訟に及ぼす影響の方が大きそうなので、こちらについて少し時間をかけて検討し、ブログ記事にしたいと思います。                  (河部)

 

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2015.04.21更新

1 民法改正の著作権法への影響

 こんにちは、河部です。前回に引き続き、民法改正に伴う知的財産法の改正について見ていきます。今回は著作権法への影響(新旧対照条文の204頁)です。

 

2 著作権法74条の改正

 民法改正に伴う著作権法の改正箇所は、著作権法74条1項及び2項のみです。

 その内容は、以下のとおりです。

 

【改正前著作権法74条】

(補償金等の供託)

第74条

 第33条第2項(同条第4項において準用する場合等を含む。)、第33条の2第2項、第68条第1項又は第69条の補償金を支払うべき者は、次に掲げる場合には、その保証金の支払に代えてその補償金を供託しなければならない。

一 著作権者が補償金の受領を拒み、又は補償金を受領することができない場合

二 その者が過失がなくて著作権者を確知することができない場合

三 その者がその保証金の額について第72条第1項の訴えを提起した場合

四 当該著作権を目的とする質権が設定されている場合(当該質権を有する者の承諾を得た場合を除く。)

2 前項第3号の場合において、著作権者の請求があるときは、当該補償金を支払うべき者は、自己の見積金額を支払い、裁定に係る保証金の額との差額を供託しなければならない。

 

【改正後著作権法74条】

(補償金等の供託)

第74条

 第33条第2項(同条第4項において準用する場合等を含む。)、第33条の2第2項、第68条第1項又は第69条の補償金を支払うべき者は、次に掲げる場合には、その保証金の支払に代えてその補償金を供託しなければならない。

一 著作権者が補償金の受領を拒んだとき。

二 著作権者が補償金を受領することができないとき。

三 その者が著作権者を確知することができないとき(その者に過失があるときを除く)。

四 その者がその保証金の額について第72条第1項の訴えを提起したとき

五 当該著作権を目的とする質権が設定されているとき(当該質権を有する者の承諾を得た場合を除く。)。

2 前項第4号の場合において、著作権者の請求があるときは、当該補償金を支払うべき者は、自己の見積金額を支払い、裁定に係る保証金の額との差額を供託しなければならない。

 

  特許法と同じく、改正民法494条(供託)の形式に対応して修正されたものです。改正著作権法74条1項3号は、法律要件分類説に沿って過失の立証責任の所在をより明確にしたということでしょう。その他の改正は1号に詰め込んでいたものを分けた、号数のズレに対応したという程度であり、内容は全く変わっていません。

 

3 著作権法改正に実質的な影響力なし

  このように、民法改正に伴う著作権法改正も、気にする必要はなさそうです。次回は、その他の知的財産法(種苗法、半導体集積回路法)の改正を見ていきたいと思います。                                 (河部)

 

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2015.04.20更新

 弊所で扱う特許案件・商標案件のかなりの部分は、弁理士の先生からのご紹介案件です。したがって、依頼者の方がご相談にいらっしゃる前に、特許や商標についての下調べは弁理士の先生が済ませていることが多かったりします。

 そうなると、自分で特許公報や商標公報を取得する仕事がしばらくなくて1か月くらいアクセスしないことがあります。最近、この前IPDL(特許電子図書館)にアクセスしたのちょっと前だなぁなどと思いながらのお気に入りのIPDLへのリンクをクリックすると…

 

  「特許電子図書館(IPDL)は、サービスを終了いたしました。永らくのご利用、ありがとうございました。」

                           Σ( ̄Д ̄lll)・・・・

 

  単にIPDLの機能が新設される特許情報プラットフォームに移転しただけなのですが、一瞬フリーズしてしまいました(^_^;)

 特許情報プラットフォームの略称は、「J-PlatPat」だそうです。語呂悪いですね…頭では分かっていても、しばらくは「IPDL」と言ってしまいそうです。    (河部)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2015.04.20更新

 弊所で扱う特許案件・商標案件のかなりの部分は、弁理士の先生からのご紹介案件です。したがって、依頼者の方がご相談にいらっしゃる前に、特許や商標についての下調べは弁理士の先生が済ませていることが多かったりします。

 そうなると、自分で特許公報や商標公報を取得する仕事がしばらくなくて1か月くらいアクセスしないことがあります。最近、この前IPDL(特許電子図書館)にアクセスしたのちょっと前だなぁなどと思いながらのお気に入りのIPDLへのリンクをクリックすると…

 

  「特許電子図書館(IPDL)は、サービスを終了いたしました。永らくのご利用、ありがとうございました。」

                           Σ( ̄Д ̄lll)・・・・

 

  単にIPDLの機能が新設される特許情報プラットフォームに移転しただけなのですが、一瞬フリーズしてしまいました(^_^;)

 特許情報プラットフォームの略称は、「J-PlatPat」だそうです。語呂悪いですね…頭では分かっていても、しばらくは「IPDL」と言ってしまいそうです。    (河部)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2015.04.17更新

1 研修会に参加

 こんにちは、河部です。一昨日、弊所の弁護士が所属する五月会(第二東京弁護士会の会派の一つです。)主催の債権法改正研修会(第2回)に参加し、前回同様請負部分の説明を担当させていただきました。

 

2 請負部分の改正

 私が担当させていただいた請負部分ですが、①売買の規定の準用、②建物に関する特則の削除、③改正前民法と変わらない、の3つの視点さえあればカタがついてしまいます。

 ①は、売買の担保責任が法定責任から、請負の担保責任と同じ債務不履行責任に変更されたことに伴い、請負独自の担保責任の規定を削除して売買の規定を準用するようになったというものです。売買と請負の性質の差から生じる担保責任の違いについては、解釈論に委ねられるとしており、その具体的内容も明らかでないので、今後の運用を待つしかありません。

 なお、新築住宅の場合は、民法改正に伴い住宅品確法についても修正がなされるので、注意が必要です。                         (河部) 

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2015.04.17更新

1 研修会に参加

 こんにちは、河部です。一昨日、弊所の弁護士が所属する五月会(第二東京弁護士会の会派の一つです。)主催の債権法改正研修会(第2回)に参加し、前回同様請負部分の説明を担当させていただきました。

 

2 請負部分の改正

 私が担当させていただいた請負部分ですが、①売買の規定の準用、②建物に関する特則の削除、③改正前民法と変わらない、の3つの視点さえあればカタがついてしまいます。

 ①は、売買の担保責任が法定責任から、請負の担保責任と同じ債務不履行責任に変更されたことに伴い、請負独自の担保責任の規定を削除して売買の規定を準用するようになったというものです。売買と請負の性質の差から生じる担保責任の違いについては、解釈論に委ねられるとしており、その具体的内容も明らかでないので、今後の運用を待つしかありません。

 なお、新築住宅の場合は、民法改正に伴い住宅品確法についても修正がなされるので、注意が必要です。                         (河部) 

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2015.04.16更新

 最高裁は、今月(平成27年4月)9日、「通常は人身に危険が及ぶものとはみられない行為によってたまたま人身に損害を生じさせた場合は、当該行為について具体的に予見可能であるなど特別の事情が認められない限り、子に対する監督義務を尽くしていなかったとすべきではない。」との判断を行いました。

 事案の内容はリンク先の判決文をお読みいただきたいと思います。

 

 民法714条1項は、12歳くらいの子供が直接の加害者で、第三者に損害を与えた場合には、その監督義務者である親が賠償責任を負いなさいと規定しています。ただし、親が自分に過失がないことを証明すれば責任を免れるとされています。

 

 ところが、実際には親の免責はまず認められません。今月10日付けの日経新聞にも、「同様のケースでは親がほぼ例外なく賠償責任を負ってきた」と書かれています。

 このように子供の加害行為を全部親のせいにしてきたのは、被害者救済のためです。

 民法は、責任能力のない子供は加害行為をしても損害賠償責任を負わないと定めていますから、被害者はその子供から賠償を受けることができません。よほどのことがない限り、そもそも子供には賠償できるだけのお金がありませんし。

 しかし、それでは被害者は泣き寝入りするばかりで救済が図られませんので、これまで裁判所は、親が賠償責任を負え、無過失の言い訳は認めない、というスタンスをとってきたのです。

 

 そうした先例が続いた中での今回の最高裁判決。親が免責されるケースが大幅に増える可能性があります。

 

 私も12歳未満の小学生のころ、プロレスごっこをしていて、友達の歯を折ってしまったことがあります。当たり前ですが、散々親に怒られ、親と一緒に友達のところへ謝りに行きました。

 今回の最高裁判決が当時すでにあれば賠償責任は生じなかったのか?

 プロレスごっこは「通常は人身に危険が及ぶものとはみられない行為」ではないし、当時私は熱狂的プロレスファンでしたから私の親は「当該行為について具体的に予見可能」。

 ということで、どっちにしろ賠償責任はあったでしょうね。

 あのときはゴメンね、○田君m(_ _)m                (弓削田)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2015.04.16更新

 最高裁は、今月(平成27年4月)9日、「通常は人身に危険が及ぶものとはみられない行為によってたまたま人身に損害を生じさせた場合は、当該行為について具体的に予見可能であるなど特別の事情が認められない限り、子に対する監督義務を尽くしていなかったとすべきではない。」との判断を行いました。

 事案の内容はリンク先の判決文をお読みいただきたいと思います。

 

 民法714条1項は、12歳くらいの子供が直接の加害者で、第三者に損害を与えた場合には、その監督義務者である親が賠償責任を負いなさいと規定しています。ただし、親が自分に過失がないことを証明すれば責任を免れるとされています。

 

 ところが、実際には親の免責はまず認められません。今月10日付けの日経新聞にも、「同様のケースでは親がほぼ例外なく賠償責任を負ってきた」と書かれています。

 このように子供の加害行為を全部親のせいにしてきたのは、被害者救済のためです。

 民法は、責任能力のない子供は加害行為をしても損害賠償責任を負わないと定めていますから、被害者はその子供から賠償を受けることができません。よほどのことがない限り、そもそも子供には賠償できるだけのお金がありませんし。

 しかし、それでは被害者は泣き寝入りするばかりで救済が図られませんので、これまで裁判所は、親が賠償責任を負え、無過失の言い訳は認めない、というスタンスをとってきたのです。

 

 そうした先例が続いた中での今回の最高裁判決。親が免責されるケースが大幅に増える可能性があります。

 

 私も12歳未満の小学生のころ、プロレスごっこをしていて、友達の歯を折ってしまったことがあります。当たり前ですが、散々親に怒られ、親と一緒に友達のところへ謝りに行きました。

 今回の最高裁判決が当時すでにあれば賠償責任は生じなかったのか?

 プロレスごっこは「通常は人身に危険が及ぶものとはみられない行為」ではないし、当時私は熱狂的プロレスファンでしたから私の親は「当該行為について具体的に予見可能」。

 ということで、どっちにしろ賠償責任はあったでしょうね。

 あのときはゴメンね、○田君m(_ _)m                (弓削田)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2015.04.16更新

1 民法改正の不正競争防止法への影響

 こんにちは、河部です。前回引き続き、民法改正に伴う知的財産法の改正について見ていきます。今回は不正競争防止法への影響(新旧対照条文の309頁)です。

 

2 不正競争防止法15条の改正

 民法改正に伴う不正競争防止法の改正箇所は、不正競争防止法15条のみです。その内容は、以下のとおりです。

 

【改正前不競法15条】

(消滅時効)

第15条

 第2条第1項第4号から第9号までに掲げる不正競争のうち、営業秘密を使用する行為に対する第3条第1項の規定による侵害の停止又は予防を請求する権利は、その行為を行う者がその行為を継続する場合において、その行為により営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある保有者がその事実及びその行為を行う者を知った時から3年間行わないときは、時効によって消滅する。その行為の開始の時から20年を経過したときも、同様とする。

 

【改正後不競法15条】

(消滅時効)

第15条

 第2条第1項第4号から第9号までに掲げる不正競争のうち、営業秘密を使用する行為に対する第3条第1項の規定による侵害の停止又は予防を請求する権利は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 その行為を行う者がその行為を継続する場合において、その行為により営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある保有者がその事実及びその行為を行う者を知った時から3年間行わないとき。

二 その行為の開始の時から20年を経過したとき。

 

 

3 除斥期間から時効へ

 改正後不正競争防止法では、「その行為の開始の時から20年を経過したとき」の請求権は、「時効によって消滅する」とされています。この点について、改正前民法では、最高裁が20年の期間を除斥期間(時効の援用をせずとも消滅し、時効の中断及び停止(新法では時効の更新及び完成猶予)の規定も適用されない)とされていましたが、最高裁の立場を採用せず、20年という期間が時効であることが明確化されています。

 民法改正のほとんどが従前の最高裁判例を踏襲している中、この部分は最高裁判例と異なるため、若干の注意が必要です。

 

4 改正前不競法15条が「20年を経過したとき」となっている理由

 ちなみに、新旧対照条文上、改正前不競法15条の記載が「その行為の開始の時から20年を経過したとき」となっていますが、これは、民法改正に伴う不正競争防止法の改正の前に、不正競争防止法15条の規定を10年から20年に修正し、その後に民法改正に伴う改正を行うためであって、誤りではないそうです。法務省に問い合わせをしたところ、経産省からそのように聞いていますとのことでした。

 

5 不正競争防止法改正も実質的影響なし

 このように、不正競争防止法については、民法改正の影響で実質的な部分についても修正があるため、不正競争防止法の改正自体にも気を配る必要があります(もっとも、特許権侵害訴訟や商標権侵害訴訟についても、民法の規定が適用されるため、同じ影響があります。)。

 次回は、著作権法の改正を見ていきたいと思います。          (河部)

 

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

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