2016.12.01更新

1 ブログ再開

 前回更新から随分と時間が空いてしまいました。準備書面なら何十頁でもそう悩まないのですが、何を書けばいいのか決まっている準備書面と違って、こういった文章は何を書こうかから始まってなかなか筆が進まず・・・しかし、依頼者の方から読んでいると声をかけていただいたこともあり、また、神田弁護士も手伝ってくれるそうなので、できる範囲で頑張りたいと思います。

 

2 口頭弁論の活性化

 さて、半年ほど前に技術説明会の公開について言及をさせていただきましたが、今回も似たテーマ、「口頭弁論の活性化」についてです。

 先日、知的財産高等裁判所第4部の事件で、「口頭弁論の活性化」のために、口頭弁論期日において技術の内容について口頭でプレゼンテーションをするという機会がありました。

 普段、法廷には次の期日の関係者くらいしかいないのですが、当日は何故か大勢の学生さんが見学にいらっしゃっていて、かなり緊張し、冷や汗をかいてしまいました。何度も練習をしておいて本当によかったです^^;

 

3 今後の知財弁護士・弁理士に問われるプレゼン能力

 現在のところ、この「口頭弁論の活性化」は知的財産高等裁判所第4部でしか行われていません。しかし、審決取消訴訟では技術説明会を求められることも多いですし、知財高裁の別の部では、技術説明会より簡略化したプレゼンテーションを弁論準備手続期日ごとに求められることもあります。

 私自身も技術説明会等を行うたびに痛感しますが、こういったプレゼンテーションでは、単に原稿を棒読みするだけでは全然内容が伝わりません。また、不意の質問にも即座に回答できるだけの技術に対する理解が必要ですが、回答の内容が専門的すぎては、必ずしも技術の専門家ではない裁判官には伝わりません。技術に対する理解だけでなく、技術をかみ砕いて説明する能力も必要です。

 証人尋問の少ない知財訴訟は書面のやり取りだけで淡々と進むことが多かったですが、今後は、技術説明会に限らずプレゼンテーションの機会が増加し、知財訴訟を担当する代理人弁護士・弁理士にとっては、技術を深く理解して口頭で分かりやすく説明するプレゼンテーション技術が問われる時代になっていくのかもしれません。

(河部)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2016.09.08更新

1 リンクは著作権侵害?:EU司法裁判所の判断についてのニュース

 先日、知財関係のニュースとして、「EU司法裁判所、無断リンクは著作権侵害!」といった内容の見出しが躍りました。

 中山信弘先生の『著作権法』が「リンク元では複製が行われているわけではないので、基本的には複製権侵害の問題は生じない。」とされているとおり、我々としては、「リンクを張るだけなら大丈夫。」というアドバイスをすることもあるので、見出しを見た瞬間はヒヤリとしました。

 

   

2 EU司法裁判所での判断

 いくら日本の裁判所の判断ではないとはいえ、当然気になります。

 EU司法裁判所の平成28年9月8日の判断は、

「著作権者に無断で公開された作品にリンクを張る行為は、原則として、公衆送信権侵害に該当しないが、例外的に、

 ① リンクを張る者が金銭的利益を得ることを目的とし、

 ② その者に違法で公開されたことの認識があった場合

 には、公衆送信権侵害に該当する。」

というもののようです。

 また、上記①のような場合には、リンクを張る者において、適法に公開された作品か否か調査する義務を負うべきであるとされているようであり、この点も注目です。

 

 

3 見出し程のインパクトは…

 見出しだけ見たときはかなりのインパクトを受けましたが、①と②の要件を両方満たすのはかなり悪質な場合ですから、今回のEU司法裁判所の判断は、普段に活動をなさっている企業様のご相談には影響しなそうです。

 

 

4 日本ではどう判断されそうか?

 今後同様の案件について、日本の裁判所がEU司法裁判所のように著作権侵害という法的な構成を採用するかは分かりませんが、著作権侵害としなくても、著作権侵害行為の幇助として、民法719条2項を適用することはありそうです。

 この点について、大阪地裁平成25年6月20日(平成23年(ワ)第15245号)では、動画サイト「ニコニコ動画」に違法にアップロードされた動画の引用タグ又はURLをリンクとして張った行為について、著作権侵害の幇助による不法行為が成立するか否かについて、以下のとおり判示しています。

 

 「しかし、ニコニコ動画』にアップロードされていた本件動画は、著作権者の明示又は黙示の許諾なしにアップロードされていることが、その内容や体裁上明らかではない著作物であり、少なくとも、このような著作物にリンクを貼ることが直ちに違法になるとは言い難い。そして、被告は、前記判断の基礎となる事実記載のとおり、本件ウェブサイト上で本件動画を視聴可能としたことにつき、原告から抗議を受けた時点、すなわち、『ニコニコ動画』への本件動画のアップロードが著作権者である原告の許諾なしに行われたことを認識し得た時点で直ちに本件動画へのリンクを削除している。このような事情に照らせば、被告が本件ウェブサイト上で本件動画へリンクを貼ったことは、原告の著作権を侵害するものとはいえないし、第三者による著作権侵害につき、これを違法に幇助したものでもなく、故意又は過失があったともいえないから、不法行為は成立しない。」

 

 判決は、不法行為が成立しない理由について、

① ニコニコ動画にアップロードされた動画について、著作権者の同意を得ているか否か、その体裁からは明らかでないこと、

② 動画が著作権者の許諾なしにアップロードされていたことを認識した時点で、直ちにリンクを削除していること

という2つの理由を付しています。

EU司法裁判所の2つの要件を裏返したような判断ですね。逆にいえば、

① 違法アップロードされた動画であることが、動画の体裁から直ちに認識できる場合や、

② 違法アップロードされた動画であることを認識した後でも、リンクを削除しなかった場合には、

不法行為による損害賠償責任を負う可能性があるということとなります。

 

(河部、神田)

 

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2016.08.15更新

1 小林・弓削田法律事務所の業務内容

 引き続き、第70期弁護士採用に向けた小林・弓削田法律事務所のご紹介をしたいと思います。今回は、知財訴訟以外の業務分野についてです。

 

2 知財訴訟以外の業務

 当然といえば当然ですが、弊所も、知財訴訟だけを扱っているわけではありません(知財訴訟の件数からいえば、知財訴訟だけやっている事務所は存在しないのではないでしょうか?)。知財業務の担当として顧問契約を締結していただいている企業様以外の企業様からは、知財案件以外のご相談をいただくことの方が多いですし、その分野も多岐に亘ります。

 数でいうと契約書チェック業務が一番多く、その内容も通常の売買契約から、新サービスの利用規約、M&A案件、投資案件など様々です。

 また、訴訟案件でも、意外と種類があります。私が弊所に入所してから担当した事件(裁判所等で事件番号がついているもの)から、知財関連の事件を除いたものを、ざっと並べてみます(重複するものは省いています。)。

 

 債務不履行に基づく損害賠償請求事件

 売掛金請求事件(争点は表見代理)

 損害賠償請求事件(交通事故)

 貸金返還請求事件

 賃貸借契約終了に基づく原状回復等請求事件

 準委任契約に基づく報酬請求事件

 慰謝料請求事件(男女問題)

 境界確定等請求事件(鉱業法・森林法も関連)

 建物収去土地明渡請求事件

 謝罪広告等請求事件(名誉棄損)

 損害賠償請求事件(建築紛争)

 独禁法に基づく差止請求訴訟

 合併無効確認請求事件

 会社法423条1項に基づく損害賠償請求事件

 会社法429条1項に基づく損害賠償請求事件

 労働審判申立事件

 面談強要禁止の仮処分命令申立事件

 債権仮差押命令申立事件

 不動産仮差押命令申立事件

 離婚請求調停事件

 婚姻費用請求審判事件

 各種機関でのADR数件

 

 意外と、色々な経験が積めているのではないでしょうか?裁判上の手続に至らなかった交渉案件は記載していないので、実際にはもう少し幅広くなります。

 既にご説明したとおり、弊所の業務のかなりの部分は知財案件で占められており、他の法律事務所と比較すれば、知財以外の案件の数は少ないかもしれません。

 しかし、小林弁護士・弓削田弁護士の出身事務所である田宮合同法律事務所では、小林弁護士・弓削田弁護士は、不動産案件から刑事事件に至るまで、多種多様な事件を数多くの経験を積んでいます。弊所では基本的に必ずパートナー弁護士と一緒に仕事をしますから、知財業務以外の分野であっても、アソシエイト弁護士として、経験豊富な弁護士のやり方を見ながらOJTを積むことができます。

 また、弊所は現時点で弁護士数5名の小規模な事務所です。全員が普段から顔を合わせており、その性格や業務分野についての興味も知っていますから、手を挙げさえすれば、自分のやりたい業務を担当できる可能性は非常に高いです。実際、今年入所の神田弁護士も、ゲーム系の企業様の案件を担当したいという希望を出したため、パートナー弁護士はそういった案件について彼に声をかけることが多くなりました

 もちろん知財に興味がない方が弊所に入所するのはお勧めしませんが、弊所が受任することがない特殊な分野(例えばファイナンスがやりたくて弊所に入所するというのは、間違っています。)以外であれば、知財以外の分野に興味があっても経験できる可能性は十分にあります。                                   (河部)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2016.08.12更新

1 小林・弓削田法律事務所の業務内容③

 第70期弁護士採用に向けた弊所の業務内容説明も、3回目を迎えました。弊所が採用活動にどれだけ力を入れているか、優秀な人材を採用したいという意欲を、感じ取っていただけると幸いです。

 今回は、知財訴訟を特許訴訟とそれ以外の分野に分けて、それぞれの特徴をご説明したいと思います。

 

2 特許訴訟の特徴と特許訴訟に向いている人

 ⑴ 特許訴訟の特徴

 一般民事訴訟と比較した場合の特許訴訟の特徴は、①技術に対する理解が要求されること、②毎回違う技術に触れること、③訴訟記録が膨大な量に及ぶこと、でしょう。

 

 ⑵ 各特徴と特許訴訟に向いている人

 ア 技術に対する理解

 ①の技術に対する理解が要求されることは、特に法学部などの文系出身の方にとっては、知財弁護士を目指すか目指さないかを左右しかねない事項だと思います。

 この点について、私個人の意見としては、一定程度の理解力と根気さえあれば、文系出身者でも全く問題ないと思っています。私自身、理系科目(特に数学と物理)が苦手で私立文系大学に進んだというタイプですが、今のところ特に支障なく仕事ができています。

 問題を与えられて解答を出すという学校や入試の試験問題とは異なり、特許訴訟での我々に求められる役割は、既に答え(依頼者の望む訴訟結果)は決まっていて、それに裁判官の心証を近づけていくために、如何に論理を通し、分かりやすく説明するかということですから、答えを知った上でそれを分かりやすく表現できさえすればよく、問題を解かなければならない学校や入試の試験の得手不得手とは必ずしも関係がないのだと思います。

 ここから先は、私個人の意見です。

 準備書面を読む知財部・知財高裁の裁判官も、その多くは文系学部出身です。この点からすれば、理系出身で技術に対し理解がある弁護士よりも、文系出身で技術について素人の弁護士の方が、技術の専門家ではない裁判官にとって「分からないところが分かる」という意味では優れているとさえ言えると考えています。

ただし、上記の見解は、「相応の努力ができれば」という前提条件があります。技術分野によっては、「これは本当に日本語で書かれているのか?」と思うような明細書を何度も読み返し、依頼者の方と長時間の議論を重ね、休日も返上で当該分野の入門書を大量に読み漁るといった作業が必要です。こういった努力を「割に合わないな」と考える方は、弊所のような知財訴訟事務所には向きません。

なお、理系出身の方であっても、我が国の特許訴訟の数の少なさからいえば、自分の専門分野とは全く異なる分野の訴訟を受け持つことも多いでしょうから、文系出身の方と同じような状況に置かれることは多いと思います。この点は、機械分野・化学分野といった感じで、技術分野ごとにある程度自らの担当する技術分野を細分化できることも多い弁理士の先生のお仕事と違う部分です。

 

 イ 毎回違う技術分野に触れること

 この技術分野が毎回異なるという点は、「専門性が高まらない」とか「業務効率が上がらない」という風に否定的に捉える方もいれば、「好奇心をくすぐられる」「何度やっても飽きない」と肯定的に捉える人もいるでしょう。

 前者の方は、別の業務分野の方が向いているでしょうし、弊所に入所しても辛い思いをするだけでしょう。逆に、後者の方にとっては、弊所はいい事務所だと思います。

 

 ウ 訴訟記録の膨大さ

 訴訟記録の膨大さも、特許訴訟の特徴の一つです。侵害訴訟であれば、特許公報だけでなく、特許査定までに提出される意見書などの包袋書類にも目を通さなければなりませんし、無効論では大量の公開特許公報に目を通さなければなりません。

 こういった資料を、「どこかにこちらに有利となる記載はないか?」という視点でくまなく読み込めるだけの仕事に対する真摯さが、特許訴訟には要求されます。

 

3 特許以外の知財訴訟の特徴とそれに向いている人

 ⑴ 特許訴訟以外の知財訴訟の特徴

 特許以外の訴訟分野は、商標、意匠、不競法2条1項1号~3号など、デザインやマークを言葉にすることが求められることが多いです。

 

 ⑵ 特許訴訟以外の知財訴訟に向いている人

 特許訴訟と比較すると記録の量などは少ないですし、準備書面も短いことが多いのですが、この手の案件は、どう説明するのか、言葉の選択に迷うことが多いです。起案は遅々として進みません。日本語の語彙力が豊富で、表現力に自信のある方が向いているでしょう。

 また、こういった案件は裁判官の印象で結論が決まってしまう部分が大きいので、その心証を如何にこちらに引き寄せるか、写真の撮影方法や準備書面上での見せ方など、一般の訴訟とは違った工夫が必要になります。柔軟な考え方が必要だと思います。 

 

4 まとめ

 今回は、知財訴訟をさらに掘り下げて業務内容を説明してみました。次回は、知財訴訟以外の業務分野についても、簡単にご説明したいと思います。      (河部)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2016.08.10更新

1 小林・弓削田法律事務所の業務内容②

 前回に引き続き、第70期弁護士採用に向けた小林・弓削田法律事務所のご紹介をしたいと思います。

 今回は、弊所の主たる業務である知財訴訟の特徴について、他の訴訟案件とどう違うのか、どういう人が向いているのかなどを、当該訴訟の第一起案を担当することの多いアソシエイト弁護士の視点で、まずは知財訴訟全般について、具体的に掘り下げてみます。

 

2 知財訴訟全体の特徴

 ⑴ 高い論理性が求められる

 一概には言えない面もありますが、依頼者の気持ちの部分が強い家事事件案件などと比較すると、同じ紛争案件ではあっても、知財訴訟は高い論理性が要求されます。ご依頼者様や共同受任をする弁理士の先生方も、非常に論理的な方々ばかりです。

 弁護士1年生であっても、論理性を重んじる非常に知的レベルの高い方々にご納得いただけるだけの説明ができれば、それを受け入れていただけますし、それができないようであれば、信用を勝ち取ることはできません。緻密な論理を構成できる人の方、それも言葉でそれを表現できる方が、弊所には向いていると思います(最近、準備書面だけでなく、口頭で説明をしなければならない技術説明会も増えています。)。

 もちろん、弊所内で「もう知財訴訟を任せても大丈夫だな」というコンセンサスが取れるまでは、パートナー弁護士とは別に年次が上のアソシエイト弁護士が入り、証拠の隅々まで確認した上で訴訟に臨むので、最初から完璧を求められるという話ではありません。

 最初は、「●●先生」と言われる度に、「●●先生(笑)」と言われているような被害妄想に陥りますが、仕事ぶりによってある程度信用を得られると、弁護士にならずに企業に就職していたとしたらはるか上の上司であっただろう方々や、知財のスペシャリストであり年次で言えば意見を言うのもおこがましいようなはるかに上の弁理士の先生方から、訴訟の専門家として意見を求められるようになります。私個人としては、早い段階でこういった経験ができることは、弊所の魅力の一つだと思っています。

 

 ⑵ 事前に勝ち負けが分からない事件が多い

 著作権関係はクリエイターの方の想いが強い案件が多かったりして若干毛色が異なりますが、多くの知財紛争は、感情的な対立は少なく、お互いに経済的合理性に基づいた行動がなされることが多いです。したがって、勝ち負けのはっきりした案件では、話し合いで解決してしまうため訴訟に至ること自体が少なく、勝ち負けの分からない事件ばかりが、侵害訴訟に進むことになります。

 勝ち負けが分からないことは、訴訟を勝負の場として捉え、自らの弁護士としての力量が試されることを楽しめる方にとっては、最高の舞台でしょう(後述のとおり、和解ができなかった場合の勝ち負けは裁判所のHPに全て載ります。この点も知財訴訟の痺れるところです。)。

逆に、こういった気持になれない方は、弊所には向いていないかもしれません。

 なお、弊所では、勝負にこだわる職人集団でありたいという考えから、依頼者様のご希望がない限り、訴訟案件についてはタイムチャージ制ではなく、着手金・報酬制で受任をしています。

 

 ⑶ 判決に至ればほぼ全てが裁判所のHPに掲載される

 知財事件は、判決に至れば基本的に全件が裁判所のHPに掲載されます。また、判例時報等に掲載される確率も、一般の民事訴訟と比較すれば格段に高いと思います。

 特に、同時に侵害訴訟が係属していない審決取消訴訟案件は、和解で解決することはほとんどないため、受任した事件ほぼ全てが裁判所HPに掲載されます。

自分が担当した案件が世間の耳目を集めるというのは、「重要な事件を扱っている」という気持ちにさせてくれる点で非常に嬉しいものですが、当然のことながら敗訴判決も掲載されてしまうので、辛い部分もあります。

 ちなみに、侵害訴訟のかなりの部分は和解で解決することが多いです。

 

3 まとめ

 今回は、知財訴訟全体について、その特徴やどんな人が知財訴訟に向いているかを私なりに述べてみました。次回は、もう少し踏み込んで、特許訴訟とその他の知財訴訟に分けて、説明をしてみたいと思います。                                 (河部)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2016.07.19更新

 前回の記事に続いて、今回は弓削田弁護士の珠海市での講演の様子を、ご紹介したいと思います。

china1

 セミナーのテーマが中国と日本の知的財産保護制度の比較で、中国側の講師には、中国の知的財産訴訟に関わる珠海の知的財産裁判所(第1審を担当)の裁判長、曁南大学教授(ウィキペディアによると、「華僑の最高学府」と称されているそうです。)、中国の知財弁護士といった錚々たる方々が名を連ねていました。

他方、日本側の講師は、弁理士の河野英仁先生 と弓削田弁護士です。

 

 第1部では、講師それぞれが講演を行います。

 最初に、河野英仁先生が日本の特許出願制度についてお話をされました。中国語に堪能な河野先生は、通訳を介さず中国語で講演をなさっています。

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 次が弓削田弁護士。日本の特許法や知財訴訟の実務について、お話をさせていただきました。

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  海外での講演ということもあり、弓削田弁護士の講演内容は、日本国内のオープンなセミナーではとてもできないような、かなり踏み込んだ内容となっていました。会場内では、事前に内容を知らされていなかった私が一番びっくりしていたかもしれません(^_^;) 

 ある聴講者の方からは、こういった踏み込んだ内容の講演は、きっと中国でもニーズがあるとお褒めの言葉をいただきました。私個人としても、知的財産訴訟に関わる企業様が実際に多くの知的財産訴訟に携わる弁護士に話を聴くのであれば、こういった内容こそ聴きたいのではないかと思います。

 

 後ろの方から撮影した写真は、こんな感じです↓ 

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 この後、中国の裁判官、弁護士、大学教授の方などの講演が続きます。

 

 少し休憩をはさんで、パネルディスカッションに入ります。

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 司会進行役は、中国弁護士の韦胜雨氏(左手前)が務めます。写真は、弓削田弁護士がパネリストの方からの質問に回答している様子です。

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 中国の方からのご質問は、税関での差止制度に関するものが多かったです。中国には税関で差止めるという制度自体がないそうで、その影響かもしれません。

  

 以上、弓削田弁護士の中国珠海市での講演の様子でした。        (河部)

 

 

 

 

 

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2016.07.12更新

 少し前になりますが、弓削田弁護士と私で、中国の珠海市へ出張してきました。珠海市はマカオの程近く、香港からフェリーで1時間ほどの距離にあります。

 

 短い時間ではありましたが、現地のある大企業の本社見学等をさせていただき、懇親の場も設けていただきました。中国流の歓迎は凄いの一言、弓削田弁護士も私も日本人としてはお酒には強い方だと思うのですが、圧倒されてしまいました(^_^;)

また、弓削田弁護士の講演、今回の出張の一環です。

 china1

 そして本社に伺った際、その企業様の歴史を紹介する展示スペースで、こんなパネルを発見しました!

 

 china2 

 分かりにくいかもしれませんが、その企業様の「Overseas Legal Team」のうち、日本の「Legal Team」として、河野英仁先生の河野特許事務所と、弊所が記載されています!

 

 わざわざ自社紹介の展示スペースで、小林・弓削田法律事務所の名をパネルに掲載しているということは、我々を評価してくださっているということであろうと、素直に喜びたいと思います(^^)                                             (河部)

 

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2016.07.04更新

1 第70期弁護士採用に向けて

 小林・弓削田法律事務所では、現在司法修習中の第69期弁護士の採用が決まっていますが、第70期弁護士についても、採用を予定しています。

 弁護士が何百人も所属する大事務所であれば、大学やロースクールの先輩が勤務していたりして、事務所の業務内容や雰囲気を感じ取りやすいでしょうが、弊所のような事務所だと、HPを見るくらいの手段しかなく、就職活動時にどんな事務所なのか把握するのは難しいと思います。幸い杞憂に終わりましたが、かくいう私も、面接するときも、入所する前も、「本当のところどんな事務所なんだろう?」と不安に感じていました。

 そこで、本ブログを利用して、数回に分けて、小林・弓削田法律事務所の業務内容や事務所の雰囲気などを、お伝えできればと思っています。まずは最も興味があるであろう、業務内容についてからです。

 

2 知財事務所にも色々ある

 弊所のHPをご覧いただければ、弊所が知的財産法を中心に取り扱っていることはお分かりいただけると思います。しかし、世の中に「知財専門」を謳っている事務所はたくさんあり、私の感覚では、知財事務所にも、少しずつ業務内容に違いがあるように思います。

 今回は、以下の5つの観点から、知財事務所としての弊所の特徴を見ていきたいと思います。

 ① 実際問題として取扱業務は知財案件が多いのか、

   知財以外の分野の仕事の方が多いのか。

   ② 特許案件が多いのか、著作権案件が多いのか。

 ③ 侵害訴訟や契約書チェックなどの弁護士が得意とする案件が多いのか、

      出願などの弁理士が得意とする案件が多いのか。

 ④ 紛争案件が多いのか、契約書チェック等の予防法務案件が多いのか、

 ⑤ 国内案件が多いのか、渉外案件が多いのか。

 

3 小林・弓削田法律事務所は知財案件が多い

 ①についてですが、弊所の業務は、圧倒的に知財案件の割合が高いと思います。現在私が担当している訴訟案件の割合でいえば、7割近くが知財訴訟です。以前はその他の事件の割合がもう少し高かったのですが、最近は特に知財事件の割合が増えてきているように感じます。知財事件は書面の量も多く時間がかかりますから、時間の割合でいうと、知財の占める割合はもっと増えることになります。

 顧問契約をいただいている会社様からの法律相談でも、複数の法律事務所を利用されているある程度規模の大きな会社様の場合、弊所は知財絡みのご相談だけいただくということが多いです。また、法律問題全般をお任せいただいている場合でも、広告代理店様などでは、知財系のご相談が多かったりします(詳しくは以前の記事をご覧ください。)。

 

4 小林・弓削田法律事務所は産業財産権(特許・意匠・商標)案件が多い

 ②についていうと、相談案件では著作権関係の案件も多いものの、紛争案件になると、圧倒的に特許・商標・意匠といった産業財産権といわれる分野の案件が多いです。

いわゆるエンターテインメント法の分野だけに興味があり、特許・意匠・商標案件に興味が持てないという方は、あまり弊所には向いていないかもしれません。

 もちろん「推薦者の声」にメッセージをいただいたさかなクン関係の契約書なども手掛けており(詳しくはこちらをご覧ください。)、他の事務所と比較すれば著作権案件に携わる頻度はかなり多いと思います。

 

5 小林・弓削田法律事務所は訴訟案件が多い

 ③と④はまとめてしまいます。

 弊所では、小林弁護士が弁理士出身であり、現在も弁理士登録をしているものの、出願代理案件についてご相談をいただいた場合、予算・技術分野・外国出願の有無など、依頼者様のご要望に応じて、最適な弁理士の先生をご紹介するため出願代理業務は原則として取り扱っておりません(審判手続の代理は行っています。)。ほとんどが訴訟事件やこれに関連した無効審判事件(審決取消訴訟事件)です。

 また、④についてですが、契約書チェック等も一定数存在するものの、やはり主たる業務は紛争案件、それも訴訟案件です。訴訟案件の数については、こちらのブログが参考になるかと思います。

 

6 少しずつ渉外案件が…

 現在のところ、弊所の依頼者は、国内企業の数が多いです。もっとも、私が入所した頃と比較して、外国企業の知財事件を担当する件数や、英文契約書のチェック件数は増えているように感じます。語学堪能な方がいらっしゃれば、その能力を発揮する機会は十分あります。

 

7 まとめ

 以上のとおり、小林・弓削田法律事務所は、知財事務所の中でも、知財訴訟に特化しています。知財訴訟は、経験できる事務所と経験できない事務所がはっきり分かれますし、所属するアソシエイト弁護士全員が多くの知財訴訟を経験できる事務所というのは、かなり稀だと思います。知財、中でも訴訟案件にご興味がある方は、是非とも小林・弓削田法律事務所の門を叩いてみてください(^^)           (河部)

 

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2016.06.21更新

  以前のブログで、初版発行が昭和33年の鉱業法基本書をご紹介したことがありました。今回は、著作権法です。

 特許法や著作権法は権利が発生した時期の法律が適用されるため、次々と改正される知的財産法分野では、しばしば改正前の旧法にあたらねばならないことがあります。特に著作権法は、死後50年(著作権法51条2項)、映画の著作権に至っては70年(著作権法54条1項)と存続期間が長いため、おそろしく古い旧法にあたらなければならないことがあります。

 少し前のご相談で、私が生まれるよりはるか昔に創作された著作物が問題となったため、当時の著作権法を調査する必要が生じました。普段は1割引きの至誠堂書店様にお世話になります(以前のブログをご覧ください。)が、こんなときはアマゾンが便利です。

 

 1週間もせずに届いた著作権法は、こんな感じです↓

 patent

 

 昭和53年3月20日再版第5版発行、鉱業法ほどではないにしろ、なかなかのものです。

 kougyou

 

 鉱業法と並べると、こうなります↓

 conpete  

  博物館に展示されている古文書を思わせるような紙の色ですが、一応実際のご相談で使用する現役の基本書です(^_^;)                                                          (河部)

 

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2016.06.07更新

1 特許訴訟と辞典合戦

 以前のブログで国語辞典に言及したことがありましたが、今回のブログでは、特許訴訟に必須の科学用語辞典を題材にしてみたいと思います。

 特許権侵害訴訟においては、特許法104条の2(被告は原告が侵害行為であると主張する行為の具体的態様を明らかにしなければならないとするもの。)の存在もあって、事実関係に争いがあるというより、構成要件中の文言の意味解釈に争いがある場合が多いです。こういう場合、明細書の記載などから当該文言の意味を特定できる理屈を組み立てるだけでなく、自らに有利な記載のある辞書、辞典を引用しあうことがよくあります。

 

2 JIS工業用語大辞典の購入

 『新・注解特許法上巻』は、「明細書が当該技術分野の通常の学術的知識を持つ当業者を名宛人としているからには国語辞典における定義に拘泥することなく学術用語としての普通の意味を探求する解釈が正しいあり方である。その際、マグローヒル科学技術用語辞典あるいはJIS工業用語大辞典等の科学辞典類が参照されることが多い。」としています。

 『新・注解特許法』で例示されるほど知財業界で有名な辞典ですから、私も、入所してしばらくして大きな特許権侵害訴訟の第一起案を任されたときに、ちょうどJIS工業用語大辞典に出ていそうな用語の解釈が問題になっていたため、JIS工業用語大辞典を購入しました(ちなみに、マグローヒル科学技術用語辞典は小林弁護士のものを拝借しています。)。

sience

 

3 高かったかな…

 1年目から大きな特許訴訟を担当させてもらい、絶対に勝ちたいと意気込んでいた(今でもそうですが)から躊躇はありませんでしたが、駆け出し弁護士にとって、税別5万2000円は結構大きいですよね(^_^;)

 もちろん、実際に特許訴訟で役に立っているので、後悔はありません。それからも、科学用語辞典の買い増しは続いています。

                                                                                          (河部)

 

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

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