2016.05.11更新

 前回のブログ更新 からずいぶんと間が開いてしまいました。既に挫折は二度目・・・三度目の正直、心機一転頑張りたいと思います。

 さて、せっかくのゴールデンウィーク、出勤はしても少しくらい息抜きを・・・

ということで、同じく休日出勤組の藤沼弁護士とともに、知的財産高等裁判所の判決で話題となった「フランク三浦」の時計を買ってみました!

判決も認定するとおり、商標は「浦」の字の右上の「、」がありません。でも、時計の裏面の「フランク三浦」の表記には右上に「、」があります笑

判決で話題になったこともあり、ネットでは売切れ、ドンキホーテでも空振り、

ようやく見つけた私が購入した店舗でも、引っ越し祝いモデルと安産祈願モデルしか残っていませんでした。

どちらも予定はありませんが、とりあえず、引っ越し祝いモデルを買ってみました。

frankMiura_Front.jpg

 実際に現物を見てみると、プラスチック丸出しのチープな側面、

裏には「完全非防水」の文字・・・

当たり前ですが、100万円以上する本物とは間違いようがありません(^_^;)

 frankMiura_Back.jpg

 知財高裁判決は商標の審決取消訴訟ですから、「フランク三浦」の現物がどのようなものかが直接判決に影響したわけではないですが

(価格帯等は取引の実情として考慮されています。)、

せっかくだから現物を見てみたいという知財関係者の方もいらっしゃると思います。

もしご要望があれば、弊所にいらしたときにお声掛けください。

近いうちに、判決の中身についてもご紹介ができればと思っています。   (河部)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2016.03.11更新

1 裁判官は公用文の書き方に沿って文書を作成している

 皆様、裁判官が作成する文章が、どのようなルールに基づいているかご存知でしょうか?

 裁判官の作成する判決も役所が作成する公用文であり、その書き方は行政官庁で用いられている公用文の書き方に準拠しています。

 実は、我々弁護士も、裁判官が見慣れている公用文の書き方に従った方が読みやすいだろうと配慮して、フォントサイズ(12ポイント)や文字数及び行数、送り仮名の振り方、余白の取り方、項番を「第1、1、⑴、ア、…」とすることなど、公用文の書き方を参考にして裁判所に提出する書面を作成することが多いです。

 ちなみに、以前裁判官に「送り仮名の振り方が公用文と異なっている準備書面を見ると気になりますか?」という質問をしたところ、「結構気になってしまう。」という回答でした。

 学習用には、『分かりやすい公用文の書き方』(礒崎陽輔)が便利です。また、送り仮名の振り方については、迷ったときに『用字用語新表記辞典』(天沼寧・加藤彰彦編)を引くことがあります。

 book  book2

 

2 読点と「,」

 公用文の書き方における特徴的な決まりとして、読点の「,」が挙げられます。

 裁判所が作成する文書では,読点として「、」ではなく「,」が使われており、かなりの数の弁護士が、これに倣って自分のパソコンの読点の設定を「、」から「,」に変更しています。

 何故「,」を使うのかについて、インターネットで調べてみた限りでは、「横書き句読点の謎 - 九州大学」に詳しい記載がありました。

 そもそも明治20年頃までは句読点が使われていなかった、公用文が昭和25年の『国語の書き表わし方』の付録である『横書きの場合の書き方』に従っているというのは、母国語として日本語を使用し、公用文の書き方を意識して仕事をしているつもりの私も全く知りませんでした。

 

3 弁護士の文書か見破る方法

 このルールを知っていると、契約書などの法律関係の文章の作成者が弁護士であることを見破ることができます。パソコンの基本設定では読点として「、」を使いますから,契約書などの法律関係の文章に「,」が使われていれば、それは弁護士が作成した文書である可能性が高いのです。

 契約書をチェックしていて、相手から返ってきた案文にまだらに「,」が入っている場合,背後に弁護士が控えているなと分かり、チェックする側からすると、何か法律上の意味があって修正を入れたのだろうなと少し意識します。

 もちろん,「、」を使用している弁護士の先生も多いため,「,」が入っていれば弁護士が書いた文章だなという推測はできても,残念ながらその逆,すなわち「、」が使用されている=弁護士が書いた文章ではない、は成り立ちません。

 

 例外もあり、必ずしも役に立つ知識ではないですが、法務担当者の方であれば、知っておいて損はないかもしれません。                    (河部)

 

 

 

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2016.03.08更新

1 実は大切な管轄

 司法試験受験生の頃は気にも留めませんでしたが、管轄(土地管轄の意味で用いています。)は訴訟実務にとって非常に大きな問題です。東京の弁護士が大阪地方裁判所に行かなければならないとすると(特許訴訟は東京と大阪に集められる(民事訴訟法6条)ため、このケースは結構多いです。)、東京駅と大阪駅の往復だけで1人3万円近くかかり、例えば1人の弁護士が10回出頭したとなると交通費だけで30万円を依頼者の方にご負担いただかねばなりません。知財訴訟を弁護士1人でやることはほとんどなく、弁護士だけでなく弁理士の先生とも共同して訴訟を行うことがほとんどなので、実際にはその数倍になってしまいます。

 なお、知財事件では基本的に電話会議を使わないので、電話会議で交通費カットというわけにもいきません。

 

2 私自身の経験

 私自身も、入所以来移送申立て(別の裁判所が管轄であるとして争うことです。)で高裁まで争うケースを何件も扱い、どの事件でも管轄争いだけで何か月も時間が経ってしまいました。

 司法試験のときは管轄など択一試験の知識問題という程度の意識しかなく、管轄について必死で意見書を作成するなどとは思いもよらなかったのですが、管轄争いが実務では如何に重要であるか、弁護士として実務に携わり、移送申立事件を経験する中で嫌というほど身に染みました。

 移送申立てがあると、提出期限を定めて相手方に意見書の提出が求められ、申立人側にも意見書に対する反論が求められるなど、審理に時間がかかります。決定が出たとしても、即時抗告がなされると、再度の考案(民事訴訟法333条)のために時間をとったり、再度意見書の提出が求められたりと、余計に時間がかかります。管轄争いをフルコースで行うと、実に半年近い時間が過ぎてしまうほどです。

 特許権侵害訴訟においては、特許を無効にするために文献を探す時間が必要です。特許事件では、「無効理由を探す時間を稼ぐために移送申立てを利用しているのではないか」と思うような事案に遭遇することもあります。

 

3 管轄にも強い弁護士を

 労働審判は支部が管轄を有していなかったり(以前のブログでお伝えしたとおり、いくつかの支部では労働審判の管轄が認められています。)、依頼者の方も合意管轄を取っていたことを覚えていなかったり、「不法行為地」(民事訴訟法5条9号)の解釈を巡って争ったり(特許事件では東京地裁か大阪地裁かを巡って「不法行為地」の解釈争いがしばしば起こります。)と、管轄は意外と難しいものです。訴訟に関わる弁護士たる者、訴訟の入り口である管轄の問題にも強くなければなりません。

                                   (河部)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2016.03.04更新

1 報道修習

 私が司法修習(司法試験の合格者が裁判官・検察・弁護士になる前に必ず受けなければいけない研修)をしていた山口県では、山口県弁護士会の先生のご尽力とテレビ局のご厚意により、選択修習(裁判所・検察・法律事務所を経験する所定のプログラムと異なり、修習生が自由に選択をすることができるプログラム)の一つとして、「報道修習」というのが用意されており、数日間だけテレビ局の内部を見せていただくことができました。

 そのときに改めて感じたのが、放送用語と法曹用語(?)の違いです。

 

2 「被告」と「被告人」

 慣行により、放送業界では、刑事被告人(刑事裁判にかけられている人です。)のことを、「被告」と呼び表します。法律的に正しいのは、「被告人」です。

 法律に則った正式な用語では、民事裁判(お金を返す返さない、代金を支払う支払わないといった、主に金銭に関わる裁判)について、訴えた側を「原告」、訴えられた側を「被告」といい、刑事の場合のみ、「被告人」という言葉を使います。

 しかし、一般の方はテレビで刑事被告人が「被告」と呼ばれているのを聞くことの方がずっと多いですから、民事裁判で訴えられた場合に、「被告」にされたことを、まるで刑事事件で犯罪者扱いされたかのように感じて不快感を示されることがよくあります。

 報道修習前から何故そういう言い方をするのかなと疑問に思ってはいたのですが、業界内での慣行に従っているからだとは…

報道の業界内で使用されている用語集を見せていただいたのですが、しっかり「被告」とすることと記載されていました。

 既に定着してしまっていて仕方ないのかもしれませんが、「被告人」と「被告」のわずか1文字の違いによって、民事裁判の「被告」が感情的になり、まとまる話もまとまらなくなってしまうことがあるので、この点は改善できないかなぁと思います。

                                   (河部)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2016.02.25更新

 この前、事務所で仕事が終わって帰宅する際、タクシー内にある運転手と乗客の間にある板に「実用新案出願中!」という記載がありました。

 弁理士の皆様もご存じのとおり、新実用新案制度は、製品や技術のライフサイクルが短期化し、早期の権利化のニーズが高まったことに対応して制度化されたものです。したがって、無審査制が導入されており、出願から約半年で登録が受けられることが多いです(特許の場合だと早期審査をしなければ数年かかることはざらにあります。)。

 一方、実用新案制度の趣旨から、存続期間は出願から10年と、特許の20年と比べて短くなっています。

 実際、実用新案自体利用されていることは少ないと思います(弊所におきましても、ほとんど見たことがありません。)。

 また、実用新案って言葉自体、一般の人には知られていないかもしれませんが、仮に出願をしていれば、ウェブサイトにも記載できるし商品自体にも記載できるし、一定の宣伝効果は期待できそうですね。

 事実、私自身も、タクシー内の記載が気になってしまって、このようなブログまで書いてしまいました(笑)。                        (藤沼)    

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2016.02.22更新

 本年度は、弊所に神田弁護士が入所しました(来年度も新人弁護士が入所する予定です。)。ということで、彼へのメッセージも兼ねて、最初に侵害訴訟の起案を経験するときに、役に立つ本を紹介したいと思います。

 少し前の本になってしまいますが、『特許・商標・不正競争関係訴訟の実務入門』です。

 

 特許・商標・不正競争関係訴訟の実務入門

(株式会社商事法務: https://www.shojihomu.co.jp/publication?publicationId=223024 )

 

  実はこの本、私が新人弁護士として小林・弓削田法律事務所に入所した平成24年に発行されていまして、執筆者の一人である川田篤先生から小林弁護士がご寄贈いただいた本を、私が利用させていただいています(だいぶ線を引かせていただきました)。

 仮想事例をもとに、法律論は知っていても、実際には裁判所でどのように知財訴訟の攻防が行われているか形式が分からない新人弁護士にはぴったりの実務的な内容が盛り込まれていて、非常に使い勝手がいいです。

 もちろん、発売から時間が経ってしまっていますから、具体的な条文については別途調べなければなりません。また、既に手に入りにくくなってしまっているかもしれません。しかし、知的財産訴訟のイメージを掴みやすい本なので、知財弁護士を目指す駆け出しの弁護士が侵害訴訟を起案する際には、先輩から借りるなどして手元に置いておくといいと思います。                          (河部)

 

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2016.02.18更新

1 本は弁護士の商売道具

 今回は弁護士の書店選びについて、お話してみたいと思います。

 入所直後から弓削田弁護士から「本は弁護士の商売道具だから、書籍代は出し惜しまない方がいい。身銭を切った方が身になりやすい。」と言われていることもあり、私は毎年それなりの金額を書籍につぎ込んでいます。

 

2 東京地裁近辺の書店

 弁護士はどこで本を買うのか、専門書の豊富さから考えると、東京地裁近辺であれば、

 ① 東京地裁地下1階の「至誠堂書店」

 ② 弁護士会館地下1階の「弁護士会館ブックセンター」

 ③ 霞が関ビル近くの「書原」

 ④ 八重洲ブックセンター本店

 ⑤ 丸善丸の内本店

 ⑥ Amazon

あたりが有力候補でしょうか?

 特許訴訟が多く技術系の入門書などで勉強をしなければならない弊所の場合には、法律書だけではなく技術の入門書を購入する必要があり、私個人の書店候補には、法律書に限らずたくさんの書籍を置いている書店として、⑦新宿の紀伊國屋書店が入ります。

※ 最近③書原は閉店になってしまいました。

 

3 私の書店選び方針

 私の書店選び方針は、裁判期日後には①至誠堂書店に立ち寄って気になった本を購入し(法律書は専門書だけに値段も高く、至誠堂書店の1割引は大きいです。)、至誠堂書店で目当ての本が見当たらない場合や、科学辞典のように分厚くて重い本を買う場合は⑥Amazonを使い、土日に仕事をしていてどうしてもすぐに欲しい場合、技術系の本やビジネス書を買うときは⑦紀伊國屋書店まで足を伸ばす、といった感じです。

 

4 名前を覚えてもらえました

 小林弁護士にくっついて至誠堂書店に足繁く通い、大量に本を購入していたところ、弁護士1年目からお店の方に私の名前を覚えてもらい、何も言わなくても領収書に自分の名前を書いてもらえるようになりました。

 初めて名乗る前に私の名前を領収書に書いていただいたときは、いっぱしの弁護士として認めてもらったような気がして、凄く嬉しかったのを今でも覚えています。

                                   (河部)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2016.02.17更新

 私が所属している会派である第二東京弁護士会の五月会にお声掛けいただき、『改訂増補 困ったときのくらしの法律知識Q&A』の執筆に携わらせていただきました。

28.2.17

 

 私が携わった部分はほんの一部ではありますが、本の執筆者になるという経験は私にとって初めてで、いい経験を積むことができました。貴重な機会を与えていただいた五月会に、この場を借りてお礼申し上げます。               (河部)

 

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2016.02.12更新

1 相続のご相談案件

 だいぶ前になりますが、相続のご相談をいただき、その中で「不動産を所有権放棄できるか。」という問題が浮上しました。

 動産の所有権放棄については、所有権放棄書を作成する場面にも出くわしていますし、可能であると即断できました(ご相談後に念のため調べたところ、注釈民法にも記載があり、判例も存在しました。)。

 しかし、相続人が見つからず行き着くところまで行くと国庫に帰属する(民法959条)というのは知識として知っているけれど、自発的に不動産の放棄ができるのかは考えたことがないし、できるとしてもどうやって登記するのか…

 即答はできないと判断し、「あまり聞いたことがないので、できるかどうかも含めて調査をさせてほしい。」とお願いしました。

 

2 不動産の所有権放棄について調査をしてみると…

 民法についての最も詳しい解説書である注釈民法(民法239条の部分)をあたると、不動産を所有権放棄できるのかはっきりしないとされています。

 …結局インターネットで不動産は放棄できない(放棄手続がない)とする弁護士の岡本政明先生のコラムに行きつきました。

 

3 本当に所有権放棄できないのか?

 しかし、条文上不動産が放棄できないと正面から書かれているわけではありません。昭和41年8月 27日付民事甲第1953号民事局長回答はありますが、これはあくまで行政の見解であり、司法の判断ではありません。本当は不動産の所有権放棄は可能なのに、立法の手抜かりで手続が制定されていないと考える余地はあるようにも思えます。

 仮にその違法性を争って訴訟する場合、放棄不動産の国への移転登記手続請求ということになるのか…今までに試みられたことがあるのか分からないですが、いつかはそんな判例が現れるのでしょうか。                     (河部)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

2016.02.05更新

 弊所と顧問契約をいただいている企業様の業種は様々ですが、知財分野のご相談が多いのが、広告代理店様です。

 広告代理店様には、時代のトレンドを反映した広告を作りたいというニーズがあります。

 しかし、流行のキャラクターや流行語には、商標権や著作権などの知的財産権が生じている可能性があります。その上、自らの商品の広告をするのではなく、クライアント企業の広告を手掛ける広告代理店様の場合には、警告を受けるとクライアントにも迷惑が掛かってしまうため、法的には問題がなくても、警告を受けること自体が問題となることが多いです。こういったご相談には、適法・違法だけを判断すればよい通常の法律相談とは異なる難しさがあります。

 弁護士であれば、知的財産法の専門家ではなくても、専門書を読み込み事案と判例を調査するなどすれば、仮に裁判になった場合に敗訴するか否かのある程度の見当は、ある程度つくかもしれません。しかし、法的な問題ではなく警告書を受け取ってしまうか否かというレベルになると、経験が頼りです。

 弊所では、各弁護士が警告案件を日常的と言っていいほど取り扱っており、警告を受けること自体が問題であり、警告を受けずに済むギリギリのラインを知りたいといったご相談をいただいた際には、事務局から世間一般の感覚も取り入れた上で、弁護士全員がそれぞれの経験談を交えて協議するなどし、ご相談に対応しています。  (河部)

投稿者: 小林・弓削田法律事務所

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