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INSIGHTコラム

被告と被告人

2016.03.04 Fri
  • 弁護士/河部 康弘

1 報道修習

 私が司法修習(司法試験の合格者が裁判官・検察・弁護士になる前に必ず受けなければいけない研修)をしていた山口県では、山口県弁護士会の先生のご尽力とテレビ局のご厚意により、選択修習(裁判所・検察・法律事務所を経験する所定のプログラムと異なり、修習生が自由に選択をすることができるプログラム)の一つとして、「報道修習」というのが用意されており、数日間だけテレビ局の内部を見せていただくことができました。

 そのときに改めて感じたのが、放送用語と法曹用語(?)の違いです。

2 「被告」と「被告人」

 慣行により、放送業界では、刑事被告人(刑事裁判にかけられている人です。)のことを、「被告」と呼び表します。法律的に正しいのは、「被告人」です。

 法律に則った正式な用語では、民事裁判(お金を返す返さない、代金を支払う支払わないといった、主に金銭に関わる裁判)について、訴えた側を「原告」、訴えられた側を「被告」といい、刑事の場合のみ、「被告人」という言葉を使います。

 しかし、一般の方はテレビで刑事被告人が「被告」と呼ばれているのを聞くことの方がずっと多いですから、民事裁判で訴えられた場合に、「被告」にされたことを、まるで刑事事件で犯罪者扱いされたかのように感じて不快感を示されることがよくあります。

 報道修習前から何故そういう言い方をするのかなと疑問に思ってはいたのですが、業界内での慣行に従っているからだとは…

報道の業界内で使用されている用語集を見せていただいたのですが、しっかり「被告」とすることと記載されていました。

 既に定着してしまっていて仕方ないのかもしれませんが、「被告人」と「被告」のわずか1文字の違いによって、民事裁判の「被告」が感情的になり、まとまる話もまとまらなくなってしまうことがあるので、この点は改善できないかなぁと思います。

                                   (河部)

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