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被害者救済のゆくえ

2015.04.16 Thu
  • 弁護士/弓削田 博

 最高裁は、今月(平成27年4月)9日、「通常は人身に危険が及ぶものとはみられない行為によってたまたま人身に損害を生じさせた場合は、当該行為について具体的に予見可能であるなど特別の事情が認められない限り、子に対する監督義務を尽くしていなかったとすべきではない。」との判断を行いました。

 事案の内容はリンク先の判決文をお読みいただきたいと思います。

 民法714条1項は、12歳くらいの子供が直接の加害者で、第三者に損害を与えた場合には、その監督義務者である親が賠償責任を負いなさいと規定しています。ただし、親が自分に過失がないことを証明すれば責任を免れるとされています。

 ところが、実際には親の免責はまず認められません。今月10日付けの日経新聞にも、「同様のケースでは親がほぼ例外なく賠償責任を負ってきた」と書かれています。

 このように子供の加害行為を全部親のせいにしてきたのは、被害者救済のためです。

 民法は、責任能力のない子供は加害行為をしても損害賠償責任を負わないと定めていますから、被害者はその子供から賠償を受けることができません。よほどのことがない限り、そもそも子供には賠償できるだけのお金がありませんし。

 しかし、それでは被害者は泣き寝入りするばかりで救済が図られませんので、これまで裁判所は、親が賠償責任を負え、無過失の言い訳は認めない、というスタンスをとってきたのです。

 そうした先例が続いた中での今回の最高裁判決。親が免責されるケースが大幅に増える可能性があります。

 私も12歳未満の小学生のころ、プロレスごっこをしていて、友達の歯を折ってしまったことがあります。当たり前ですが、散々親に怒られ、親と一緒に友達のところへ謝りに行きました。

 今回の最高裁判決が当時すでにあれば賠償責任は生じなかったのか?

 プロレスごっこは「通常は人身に危険が及ぶものとはみられない行為」ではないし、当時私は熱狂的プロレスファンでしたから私の親は「当該行為について具体的に予見可能」。

 ということで、どっちにしろ賠償責任はあったでしょうね。

 あのときはゴメンね、○田君m(_ _)m                (弓削田)

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