弁護士ノート

lawyer note

Art Law

  • 屋外恒常設置(著作権法46条)は時代遅れ?

    2023.11.01 弁護士:木村 剛大 Art Law

    屋外恒常設置とは? 著作権法が定める権利制限規定のひとつとして、いわゆる屋外恒常設置(著作権法46条)があります。条文は次のような文言になっています。 第46条(公開の美術の著作物等の利用) 美術の著作物でその原作品が前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置されているもの又は建築の著…

  • 厳格化する海外でのアート取引とKYC

    2023.05.01 弁護士:木村 剛大 Art Law 渉外法務

    マネーロンダリング規制の厳格化 EUで第5次マネーロンダリング指令(5th Anti-Money Laundering Directive)が2018年に制定され、アートマーケットが規制対象に加わりました。 この指令に基づき、2020年に各国での法制化が義務付けられたことから、近時KYC…

  • 契約書ドラフティングとPlain Japanese(平易な日本語)〜「ものとする。」の呪縛を解き放つ!〜

    2022.09.01 弁護士:木村 剛大 Art Law エンターテインメント法 その他の知的財産関連業務 一般企業法務

    契約書は、冗長で読みにくい文章になりがちです。 これは日本語に限らず英語圏でも同様です。米国のロースクールでは法律家はPlain Englishを使うようにと指導されます。 法律家向けPlain Englishのスタンダードな文献として、書名がズバリですが、Richard Wydick …

  • Art Lawを学ぼう!オススメ教育機関3選

    2022.03.24 弁護士:木村 剛大 Art Law

    今回はArt Lawに興味がある方向けにArt Lawを学ぶことができるおすすめの教育機関を紹介します。 1. ロンドン大学クイーン・メアリー校 LLM Art, Business and Law Art LawにフォーカスしたLLMプログラムとしてロンドン大学クイーン・メアリー校が20…

  • 追及権の思想とNFTのロイヤルティ

    2021.12.16 弁護士:木村 剛大 Art Law エンターテインメント法 著作権法

    OpenSeaなどのNFTマーケットプレイスでは作品の二次流通の際に一定パーセントが作者に支払われるロイヤルティの設定をすることができる仕様になっています。考え方としては、欧州で広く導入されている追及権(Artist’s Resale Right)に似ています。 追及権は、アートディーラ…

  • 活用が進むNFTとルール設計

    2021.09.09 弁護士:木村 剛大 Art Law エンターテインメント法 著作権法

    2021年3月、BeepleのNFTデジタルアート作品《Everydays: The First 5000 Days》が現存アーティストによる落札額第3位となる約75億円(6934万6250ドル)で落札されました。 Beeple  Everydays: The First 5000 Da…

  • 知っておきたいアート作品の売却と税制

    2021.06.03 弁護士:木村 剛大 Art Law

    よく投資としてのアートを語る文脈で、S&P500の利回りとアート作品の利回りを比較したデータが示されることがあります。 しかし、アート作品のデータはいわゆる「ブルーチップ」と言われるすでに評価の確立したアーティスト(アンディ・ウォーホルや草間彌生など)の作品価格に基づいているもの…

  • 現代美術を巡る著作権侵害訴訟と米国のアミカスキュリエ制度

    2021.02.25 弁護士:木村 剛大 Art Law 著作権法

    日本の特許庁が特許法の改正により特許権侵害訴訟の審理にアミカスキュリエ制度を導入する検討を進めています。 アミカスキュリエとは、「裁判所の友」とも訳され、「裁判所に係属する事件について情報又は意見を提出する第三者」のことです。そして、アミカスキュリエが裁判所に提出する意見書のことはアミカ…

  • 現代アートと特許!?

    2020.11.05 弁護士:木村 剛大 Art Law 特許法

    「アート」=「著作権」。これは確かに正しい理解です。しかし、現代アートはとにかく多種多様な作品があります。例えば、チームラボの「お絵かきタウン」をみてみましょう。実際に体験したことのある方も多い作品かもしれません。 チームラボは、「お絵かき画像表示システム」という発明の名称で、特許を取得…