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変わる?技術説明会

2022.03.10 Thu
  • 知的財産訴訟
  • 弁護士/弓削田 博

1 技術説明会とは
 特許権侵害訴訟等において、当該特許の技術等に関する裁判官の理解を助けるために代理人弁護士等がパワーポイントのスライド等を用いて技術内容等を説明するのが技術説明会です。特許権侵害訴訟以外でも、例えば独禁法違反差止請求訴訟で技術説明会を行った経験がありますが(互換品対策が独禁法違反に)、技術説明会のほとんどが特許権侵害訴訟で開催されていると言ってよいでしょう。
 技術説明会では、当該発明の内容や充足論だけでなく、特許の有効性等についても当事者双方の代理人から説明がなされます。技術説明会には、当事者の他に裁判官と調査官のみが参加する場合と、裁判所から選任される2~3名の専門委員も参加する場合があります。

2 従来の技術説明会
 技術説明会は、従来、裁判所の審問室や会議室、民事裁判法廷等で開催されてきました。具体的には、当事者双方の代理人が各自のパソコンを用意し、当該パソコンに入っているパワーポイントのスライドデータを裁判所が用意したプロジェクターを通じてスクリーンに投影し、レーザーポインタを使用したり、身振り手振り等のジェスチャーを交えて技術説明を行います。
 裁判官や専門委員は、スクリーンを見たり、代理人のパフォーマンスを直接目にしながら、技術等の理解を深めていくことになります。

3 技術説明会が裁判員裁判用法廷で開催
 ところが先日、技術説明会の開催場所として刑事法廷が指定されました。言い訳にもなりませんが、刑事裁判はこのところ全く受任していなかったので、迂闊でした。指定されたのは裁判員裁判用の法廷でした。

(出典:裁判員制度HPより。https://www.saibanin.courts.go.jp/index.html

 裁判官や専門委員が座ったのは、上記の写真でいうと左手前のモニターがずらっと並んだ、いつもは裁判員らが座る壇上の席でした。そして、いつもならあるはずのプロジェクターやスクリーンはなく、技術説明は、上記写真の奥の方に見える壁かけのモニターや壇上の各モニターにスライドを映して行われました。ご存じの方も多いかもしれませんが、レーザーポインタは、モニターでは使用できません。モニター上ではレーザーポインタのポイントが光らないのです。必然的に、ポインタはパワーポイントのものを使用することになります。そうすると、技術説明は各モニター内の画像・映像のみで完結してしまいます。裁判官も専門委員も、壁かけのモニターではなく、ご自身の目の前にあるモニターを見つめています。代理人としては、自分のジェスチャーが無視されているかのような錯覚に陥ります。直接技術説明を担当したのは私ではありませんでしたが、技術説明をした彼は変な汗を沢山かいたことでしょう。

4 今後の対応
 技術説明会が、今後、裁判員裁判用の法廷での開催に限定されていくとまでは思いません。ただ、私見としては、裁判員裁判用の法廷での開催が増えていくのではないかと予想します。技術説明会の開催場所が指定されたら、事前に下見をし、開催場所の設備に応じた準備をしておく必要があると実感しました。

弁護士 弓削田 博

 

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