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INSIGHTコラム

改正個人情報保護法④

2016.12.22 Thu
  • 個人情報保護
  • 弁護士/河部 康弘
  • 弁護士/神田 秀斗

1 改正個人情報保護法における個人情報

 前回、改正前の「個人情報」の定義を確認したので、本題の改正法の定義を見ていきます。

 この改正により、個人情報の定義がいわゆる1号型と2号型に分かれることとなりました。なお、1号型か2号型のいずれに該当するかにより、個人情報保護法上の取扱いに違いはありません。

2 1号型の個人情報

 1号型の「個人情報」とは、改正法2条1項1号に定義があり、

 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録(電磁的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。次項第2号において同じ。)で作られる記録をいう。第18条2項において同じ。)に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項(個人識別番号を除く。)をいう。以下同じ。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)。

とされています。

 かっこ書が続いて非常に読みにくい文章となっていますが、途中のかっこ書きを除いて読むと、「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」となります。前回のブログでご紹介した改正前の個人情報の定義と同じです。

 そうすると、今回の改正で新設されたのは、「その他の記述等」に関する途中のかっこ書の部分となります。つまり、「文書、図画若しくは電磁的記録」なども「個人情報」に含まれるということを確認したのが、今回の改正の趣旨です。電磁的記録等が「個人情報」に含まれることは、改正前個人情報でも当然のことと考えられていたため、この点は実質的な改正ではありません。

 このように見ていくと、個人情報の不明確さの理由と考えられていた「(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」の部分は改正されていないことが分かります。結局、1号型の個人情報に該当するか否かは、改正前と変わらず、「事案による」ということです。今後、新設された個人情報保護委員会により明確な指針が示されることが期待されます。

3 2号型の個人情報

 2号型の個人情報とは、「個人識別符号が含まれるもの」(改正法2条1項2号)であり、「個人識別符号」については、改正法2条2項に以下のとおり定義されています。

 この法律において『個人識別符号』とは、次の各号のいずれかに該当する文字、番号、記号その他の符号のうち、政令で定めるものをいう。

一 特定の個人の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した文字、

 番号、記号その他の符号であって、当該特定の個人を識別することができるもの

二 個人に提供される役務の利用若しくは個人に販売される商品の購入に関し割り

 当てられ、又は個人に発行されるカードその他の書類に記載され、若しくは電磁

 的方式により記録された文字、番号、記号その他の符号であって、その利用者若

 しくは購入者又は発行を受ける者ごとに異なるものとなるように割り当てられ、

 又は記載され、若しくは記録されることにより、特定の利用者若しくは購入者又

 は発行を受ける者を識別することができるもの」

 上記のとおり、改正法2条2項には1号と2号がありますが、そもそも1号と2号の内容を具体化したものが「政令で定める」情報ですので、政令で定める情報に該当すれば、直ちに個人情報に該当することとなります。以下が「政令で定めるもの」になります。

 個人情報の保護に関する法律(以下「法」という。)第二条第二項の政令で定める文字、番号、記号その他の符号は、次に掲げるものとする。

一 次に掲げる身体の特徴のいずれかを電子計算機の用に供するために変換した文字、

 番号、記号その他の符号であって、特定の個人を識別するに足りるものとして個人

 情報保護委員会規則で定める基準に適合するもの

 イ 細胞から採取されたデオキシリボ核酸(別名DNA)を構成する塩基の配列

 ロ 顔の骨格及び皮膚の色並びに目、鼻、口その他の顔の部位の位置及び形状に

  よって定まる容貌

 ハ 虹彩の表面の起伏により形成される線状の模様

 ニ 発声の際の声帯の振動、声門の開閉並びに声道の形状及びその変化

 ホ 歩行の際の姿勢及び両腕の動作、歩幅その他の歩行の態様

 ヘ 手のひら又は手の甲若しくは指の皮下の静脈の分岐及び端点によって定まる

  その静脈の形状

 ト 指紋又は掌紋

二 旅券法(昭和二十六年法律第二百六十七号)第六条第一項第一号の旅券の番号

三 国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第十四条に規定する基礎年金番号

四 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第九十三条第一項第一号の免許証の番号

五 住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第七条第十三号に規定する住民票

 コード

六 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成

 二十五年法律第二十七号)第二条第五項に規定する個人番号

七 次に掲げる証明書にその発行を受ける者ごとに異なるものとなるように記載された

 個人情報保護委員会規則で定める文字、番号、記号その他の符号

 イ 国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第九条第二項の被保険者証

 ロ 高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)第五十四条

   第三項の被保険者証

 ハ 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第十二条第三項の被保険者証

八 その他前各号に準ずるものとして個人情報保護委員会規則で定める文字、番号、

 記号その他の符号」

 2号から7号までは非常に分かりやすいですね。パスポート番号や免許証番号、マイナンバーなどが個人情報に該当すると明確化されたことになります。

 しかし、前回のブログでご紹介した携帯電話番号などは入っておらず、これはやはり1号型の個人情報に該当するかという判断をしなければなりません。2号型「個人情報」は、個人情報保護への関心が高まっている昨今、さしあたって要保護性の高い情報のみ個人情報に該当するものと明確化したものといったところでしょうか。

(河部、神田)

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