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民法改正に伴う不正競争防止法の改正

2015.04.16 Thu
  • 不正競争防止法
  • 弁護士/河部 康弘

1 民法改正の不正競争防止法への影響

 こんにちは、河部です。前回に引き続き、民法改正に伴う知的財産法の改正について見ていきます。今回は不正競争防止法への影響(新旧対照条文の309頁)です。

2 不正競争防止法15条の改正

 民法改正に伴う不正競争防止法の改正箇所は、不正競争防止法15条のみです。その内容は、以下のとおりです。

【改正前不競法15条】

(消滅時効)

第15条

 第2条第1項第4号から第9号までに掲げる不正競争のうち、営業秘密を使用する行為に対する第3条第1項の規定による侵害の停止又は予防を請求する権利は、その行為を行う者がその行為を継続する場合において、その行為により営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある保有者がその事実及びその行為を行う者を知った時から3年間行わないときは、時効によって消滅する。その行為の開始の時から20年を経過したときも、同様とする。

【改正後不競法15条】

(消滅時効)

第15条

 第2条第1項第4号から第9号までに掲げる不正競争のうち、営業秘密を使用する行為に対する第3条第1項の規定による侵害の停止又は予防を請求する権利は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 その行為を行う者がその行為を継続する場合において、その行為により営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある保有者がその事実及びその行為を行う者を知った時から3年間行わないとき。

二 その行為の開始の時から20年を経過したとき。

3 除斥期間から時効へ

 改正後不正競争防止法では、「その行為の開始の時から20年を経過したとき」の請求権は、「時効によって消滅する」とされています。この点について、改正前民法では、最高裁が20年の期間を除斥期間(時効の援用をせずとも消滅し、時効の中断及び停止(新法では時効の更新及び完成猶予)の規定も適用されない)とされていましたが、最高裁の立場を採用せず、20年という期間が時効であることが明確化されています。

 民法改正のほとんどが従前の最高裁判例を踏襲している中、この部分は最高裁判例と異なるため、若干の注意が必要です。

4 改正前不競法15条が「20年を経過したとき」となっている理由

 ちなみに、新旧対照条文上、改正前不競法15条の記載が「その行為の開始の時から20年を経過したとき」となっていますが、これは、民法改正に伴う不正競争防止法の改正の前に、不正競争防止法15条の規定を10年から20年に修正し、その後に民法改正に伴う改正を行うためであって、誤りではないそうです。法務省に問い合わせをしたところ、経産省からそのように聞いていますとのことでした。

5 不正競争防止法改正も実質的影響なし

 このように、不正競争防止法については、民法改正の影響で実質的な部分についても修正があるため、不正競争防止法の改正自体にも気を配る必要があります(もっとも、特許権侵害訴訟や商標権侵害訴訟についても、民法の規定が適用されるため、同じ影響があります。)。

 次回は、著作権法の改正を見ていきたいと思います。          (河部)

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