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INSIGHTコラム

知財訴訟と裏方

2015.06.10 Wed
  • 知的財産訴訟
  • 弁護士/弓削田 博

 弊所では、知的財産権に関する訴訟のご依頼をいただくことが多いので、今日は物理的な側面における知財訴訟と一般民事訴訟との違いをご紹介したいと思います。

① 提出する書類

 訴訟において提出する書面は大きく分けて3種類あります。

 ・主張書面(訴状、答弁書や準備書面)

 ・証拠説明書(提出する書証の立証趣旨やその詳細を記載したもの)

 ・書証(いわゆる証拠です。)

 通常の訴訟においては、上記各書面を裁判所提出用の「正本」、相手方当事者提出用の「副本」を提出し、ご依頼者様及び弊所保管用の「控」を作成します。

 その際、正本は1通、副本は当事者の人数分(当事者が複数でも代理人が1名であれば1通でよい)、控はご依頼者様と弊所保管用で2通の最低4通を用意することとなるのが通常です。

 しかし、知的財産権訴訟となるとこれらの通数に加え「写」が4通必要となります(案件によっては2通または3通の場合もあります。)。もちろん、当事者の数が増えれば、その分副本の部数が増えるので、多いときには同内容の書面を10通ずつ用意するなどということも珍しくありません。

 また、弊所ではほとんどの案件で知的財産法や技術の専門家である弁理士の先生と共同で事件を担当するため、弁理士先生用の控えが必要になります。さらに、知財を専門としていない他の事務所の弁護士の先生と共同で受任することもあり、この場合にはさらにもう1部控えが増えます。

 

② 事務局もコピー機も大変です

 同内容の書面を何部も用意するのは、簡単なようでなかなか骨の折れる作業です。正本や副本は片面コピーで提出する必要があるため(裁判所の決まりです。)、使用する紙の量も尋常ではありません。知財訴訟の主張書面は多いものでは100頁を超えることもあり、証拠も大量です。これを10部用意するとなると、主張書面だけでも1000枚以上の紙を消費することになります。

 一番つらいのはコピー機で、弊所では最新鋭の複合機を使用していますが、それでも悲鳴とも泣き声ともつかない機械音がすることがしばしば…春闘の季節は過ぎましたが、そろそろストライキされるのではと心配です。

③ 提出も大変

 カラー印刷を使うことも多いですし、大量の書類をファックスだけしておしまいというわけにはいきませんので、裁判所にも相手方弁護士の事務所にも、きちんと印刷したクリーンコピーをお届けします。裁判所には直接書類を持ち込みますので、事務局は大量の書類を抱えて移動することになります。大量の紙というのは結構重いものですよね。

 さらに、主張書面のワードデータを裁判所に提出する必要があるなど、知財訴訟には通常訴訟と異なる手間がかかります。

④ 裏方の活躍があってこそ

 弊所の事務局は、いつもにこやかに(?)お茶を出していますが、いざバックヤードに回れば、印刷に提出にと奔走しています。こういった地味な部分で裏方として時間と労力をかけておぜん立てをしてくれなければ、知財訴訟は闘えません。

 知財訴訟は一般事件に比べるとどうしても実費がかさんでしまいがちですが、その裏側にはこんな事情があるのです。                   (弓削田)

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