弁護士ノート

lawyer notes

知財業界での夢と希望〜知財弁護士6年目として

2021.07.01 弁護士:神田 秀斗 その他の知的財産関連業務

去年は,「コロナ禍終息後の知財業界」というテーマで,「弁理士の日」記念企画としてのブログを投稿いたしました(① 押印と契約書①〜コロナ禍終息後の知財関係書類  ② 押印と契約書②〜コロナ禍終息後の知財関係書類 ③ 押印と契約書③〜コロナ禍終息後の知財関係書類)。

今年の弁理士の日記念ブログ(https://benrishikoza.com/blog/benrishinohi2021/)のテーマは,「知財業界での夢と希望」ということですが, 私のような若輩が知財業界全体の展望を語るというのもおこがましいので,本ブログでは,私自身がそもそもどのような「希望」をもってこの業界に入ってきたのか,今後どのようなことをしていきたいのか書いてみたいと思います。

私は,小林・弓削田法律事務所に入所して以来,一貫して知財事件に携わってきており,現在,本ブログを執筆している時点で弁護士経験6年目になります。

私は,いわゆる新司法試験受験者ですので,司法試験の科目として,知的財産法を選択しました。新司法試験では,基本となる7法(憲法,行政法,民法,会社法,民事訴訟法,刑法,刑事訴訟法)に加え,選択科目を受験しなければならず。選択科目の一つに知的財産法がありました。今思い返しても,なぜ知的財産法を選択したのが,そもそもの理由は思い出せませんが,「特許権とか著作権って格好いいんじゃないか!?」のような子供じみた(当時としても,24歳くらいですのでいい大人ですが)思いがあったのかもしれません。

その後,法科大学院の知的財産法ゼミにて,知財業界では著名な先生の授業を受け,その先生の薦めもあって,現在の事務所に就職させていただいた次第です。

私は,趣味としてのゲーマーであったことから,その分野で仕事をしてみたいという気持ちが以前からありました。昨今では,カプコンの「バイオハザード」を巡る著作権紛争や,任天堂とコロプラを巡る特許権紛争など,ゲーム業界における(巨額の)知財訴訟が増えてきたように感じます。趣味を仕事に出来たら,と思われたことは皆様もあると思うのですが,私としても,特許権・著作権紛争×ゲームの組み合わせの中で仕事をすることが大きな「展望」の一つです。

また,幸いにも景品表示法や薬機法などの広告系の法務に携わらせていただく機会を多くいただいたことから,広告×知財の組み合わせも積極的に取り入れていきたいと考えています。広告では主に著作権が問題となることが多いですが(当該イラストは著作物か,引用の範囲かなど),これは法律の知識というよりも,むしろ「相場観」が重要な分野ですので,多くのご相談,紛争案件に携わりながら,プロとしての「目利き」を養っていきたいと考えています。

残念ながら,巷では知財紛争は不活性化状態にあるなどと言われていますが,私はそうは思いません。知財は,言ってしまえば,ニッチな専門的な分野ですので,クライアントとしては,その重要性,つまり見落とすことの危険性に気付いていないだけだと考えています。今後,知財業界に関与する専門家として,知財の重要性について啓蒙しつつ,さらなる活性化を促す一翼を担えれば,これほど嬉しいことはないと思います。

(神田)

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