弁護士ノート

lawyer notes

裁判書類のウェブ提出及び裁判手続の迅速化

2019.09.09 弁護士:神田 秀斗 知的財産訴訟

 現在の民事裁判上、書類は全て「紙」で裁判所へ提出されます。一定の例外的な書面を除き、 FAXで送信されることもあり、民事訴訟規則第3条1項には「ファクシミリ」というやや前時代的な用語も残っています。

 最近、裁判手続の迅速化の観点から、2021年度には、準備書面などのウェブ提出が導入される旨報じられています。特許事件においては、民事訴訟規則第3条の2等に基づき、「紙」媒体と同時にword等のデータファイルも提出するよう裁判所から要請を受けますが、「紙」媒体自体の提出を止め、ウェブ提出のみに絞るという方向のようです。

 弊所が頻繁に扱う審決取消訴訟では、審判段階で提出された書面を、基本的書証として原告側が全て提出する必要があり、時にはその紙の量は膨大なものになります。手続上必要性の低いものまで全て印刷して提出することは、手間、時間、印刷コスト(こちらは依頼者に負担いただくことが多いです。)が非常にかかり、上記のウェブ提出については非常に良い傾向と考えます。

 また、このようなウェブ提出と合わせ、民事裁判の審理を半年以内とする特別な訴訟手続の導入が検討されていることも報じられています(https://www.sankeibiz.jp/workstyle/news/190904/cpd1909041540004-n1.htm)。通常、訴訟となると1年半から2年程度を要し、コストと時間を考えると訴訟に躊躇する企業の方も少なくありません。上記の特別な手続においては、両当事者が同意することが前提のようですが、書面のウェブ提出による素早い主張交換を背景にして、紛争の早期解決を目指す企業の方によって良い手続となることは間違いありません。

(神田)

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